『夜廻り猫 3』(深谷かおる・講談社)
本屋さんになかったので、アマゾンに注文する。
つぎの日についた。はやすぎないか。
3冊目では、「しづさん」というわかい女性がでてくる。
こまっている動物がいると、ほっておけないひとだ。
そとのネコだけでなく、つばさをいためたカラスもくわわった。
そのうえ、となりの家がひっこしたときに
のこされた子ネコをひきうけ、
道ばたでたおれていた子ネコをつれてかえり、
家では母親がインフルエンザで高熱をだしている。
エサがたりなくなり、しづさんがかいにいってるあいだ、
動物たちはあつまってはなしあう。
「俺たちがいるとしづさんの命が縮む」
「俺は消える・・・長居したよ」
「俺もだ いいさ もう死んだはずだったんだ」
そこへしづさんが「やったよー」とかえってくる。
98円の缶詰が半額だったと
うれしさにホホがあかくなっている。
「大変と不幸は違うんだよ」
「あんた達がいて うれしいんだからね!」
「食べな 食べな」
ついでだけど、そのしづさんの家に
もともといるネコが「ぴぴ」という名前だ。
4月に死んだピピとおなじ名前なのでご縁をかんじる。
脳の異常でふらつきがなおらない子ネコがでてくる。
耳もきこえない。
でも、その子がむじゃきにあそぶのをみていると、
いてくれるだけでいい、とおもえてくる。
「生きてるだけでいいんだって
この子が毎日教えてくれるの」
15歳でひとりだちしようとしている少女を
遠藤さんがなぐさめる。
「15だからな でも15だ 大丈夫 夢もみつかる」
女の子は、「夢はある」という
「好きな人に出会って むこうもうちを好きになってくれて
ずっと仲良くくらすの つまんない?」
遠藤さんがこたえる。
「素敵な夢だ おまいさんなら きっとかなう」
遠藤さんがつれている子ネコの重郎は、
ちいさいころカラスにつつかれたせいで片目がない。
その重郎に、家のなかから「ようチビ」
と声をかけるネコ(ティモ)がいる。
「おまえ 目 片方どうしたんだ?」
「・・・ない」
「ヘエ〜片目! そんでよく生きてんな」
でも、そういうティモだって
片腕しかなく、のこった腕も指が1本だけだ。
ティモが重郎にいう。
「どんな感じか教えてやろうか?
あのな 全然平気」
『夜廻り猫 』は、ひととしてどう生きるかの
お手本となるマンガだ。
ただ生きているだけでいい。
日常が、それだけでいかにすばらしいか。
できればこまっているものに手だすけをする。
きっとだれかがみていてくれる。