すでに優勝をきめた川崎は、
FC東京をあいてに圧倒的なつよさをみせつける。
試合がはじまってしばらくはFC東京がせめていたけど、
じきに川崎ペースの試合になっていく。
パスを自由にまわし、ボールをキープしつづける。
たとえとられても、たかい位置から連携してのプレスをかけ、
すぐにうばいかえす。
前半の20分からは、ほとんどの時間帯を相手陣内でプレーしていた。
主力の小林と大島をケガでかきながらも、
かわりの選手が穴をうめてチーム力はおちない。
相手チームは、サッカーをさせてもらえないので、
川崎と試合すると、うんざりしてくるのでは。
リーグ戦の終盤にはいってからは、川崎のつよさが群をぬいていた。
象徴的だったのが第30節の神戸との試合で、
0-2と いったんはリードをゆるしながらも、
自分たちのスタイルをやりとおし、結果的には5-3と逆転している。
神戸には、イニエスタとポドルスキがいるのに、
世界的な名選手をあいてにしても、
まったくどうじない試合はこびはみごとだった。
33節で、セレッソ大阪に3-0と勝利しながらも、
柏レイソルのJ2降格がきまった。
そして、のこり1チームとなった残留あらそいは、
下位の横浜・Fマリノスから
名古屋グランパスまでの5チームが対象となる激戦だ。
16位となったチームは、J2チームとのプレーオフにまわり、
降格の可能性にさらされる。
ただ、名古屋と湘南の直接対決がくまれているため、
状況はかなりややこしい。
得失点差で優位な横浜は、よほどのことがないかぎり、
降格はまぬがれる位置にいる。
毎年この時期になると、J1の降格と、J2の昇格が話題にのぼる。
どんなに歴史や実績があるチームでも、
その年にそれなりの成績をのこさなければ降格となる。
今シーズンでは柏レイソル、2016年には名古屋グランパスが、
過去の栄光とは関係なくJ2へとしずんだ。
このきびしさは非情にもおもえるが、
だからこそ適正な競争がJリーグを発展させてゆく。
日本のプロ野球とくらべてもしょうがないけど、
いくらまけても、下部リーグにおちる心配がなければ、
実質的ないたみをともなわず、ぬるま湯状態がつづくのでは。
ふがいないチームへの効果的なお灸は、下部リーグへの降格だ。
先週は、A代表の試合がおこなわれたため、
「Jリーグタイム」はJ2スペシャルがくまれた。
その日はJ2の最終節であり、
J1昇格にむけたプレーオフにまわろうと、
6位までにはいるべく、まれにみる混戦となった。
大宮アルディージャと岡山との試合で、
アルディージャの大前のフリーキックを、
だれかがヘディングであわせる。
いったんはキーパーにふせがれたけど、 こぼれ球を菊池がきめた。
アナウンサーの中川さんが解説の山本さんにコメントをもとめる。
「菊池の反応のすばやさがすごかったですね」
みたいなことを山本さんがいうと、
中川さんが、
「ほんとにぬけめないんですよね」
と、おもわず本音がこぼれたのがおかしかった。
山本さんはあわてて
「気もちのこもったシュートといっていいとおもいますよ」
とフォローする。
かわいい中川さんのくちから「ぬけめない」
といわれると、ドキッとする。
プレーオフへまわった大宮アルディージャは、
東京ヴェルディにやぶれてJ2にとどまることがきまった。
いまひとつ、「ぬけめなさ」がたりなかったのかもしれない。
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