2018年12月14日

ゲストのふかわりょうさんが、ホストの右近さんを完全にのみこんでいた「カブキ・チューン」

NHK-FMで「カブキ・チューン」をきいていると、
ゲストにふかわりょうさんがまねかれていた。
ふかわさんが案内役をつとめる「きらクラ」に、
右近さんが前回ゲストによばれ、きょうは反対に、
ふかわさんが右近さんの番組に顔をみせる。
ゲスト役を交換しながらの企画はどうなったか。

「きらクラ」によばれた右近さんは、いつもの右近さんで、
ふかわさんと遠藤まりさんとたのしいおしゃべりをまじえつつ、
クラシックに関する番組という位置づけにも、
それなりにゲストとしての役わりをはたしていた。
でも、きょうの右近さんはすごくかたくなっている。
自分の番組に ホストとしてふかわさんをまねいているのに、
立場が完全に逆転し、自分がゲストによばれたみたいだ。
緊張しながら案内役のふかわさんのはなしに
いっしょうけんめい うけこたえしようとする
デビューしたての新人アーティストをおもわせる。
ふかわさんのおおきさにのみこまれてしまったようで、
おおわらいしながら 右近さんのかたさを指摘するふかわさんにたいし、
右近さんは かりてきたネコみたいに うけこたえがギクシャクしている。

番組の収録は、「きらクラ」のあと、
スタジオをうつして すぐ おこなわれたそうで、
それなのに、いつものなめらかさが
すっかり影をひそめている右近さん。
ふかわさんがまるで別人、といえばいうほど、
右近さんはかたくなり、声がちいさくなる。
「ふかわさんにとってことしはどんな一年でしたか?」
とたずねたあと、
「来年はどんな一年にしたいとおもっていますか?」
と、むりやりしぼりだしたように、ありがちな質問をかさねる。

ちなみに、「どんな一年でしたか?」にたいし、
「あいづちをたいせつにした一年でした」
とふかわさんはこたえている。
ふかわさんは108もあいづちのパターンをもっており、
相手によってそれをつかいわけて場をもりあげていくそうだ。
108なんて、たたの冗談だろうけど、
右近さんはしきりに感心して「あいづち」をうっている。
あいづちがたいせつといったり、
108のあいづちパターンがあるといったり、
ふかわさんは自由自在に ことばのやりとりを たのしんでいる。

「来年はどんな一年に?」にたいする ふかわさんのこたえは、
「2018年の惰性でいけたらとおもっています」だ。
惰性でいけたらなんて、なかなかいえるセリフではない。
右近さんも、まわりでそんなことをいってくれるひとはいない、
と、いいにくいことをさらっと口にする
ふかわさんの自由なスタンスがうらやましそうだ。
ふかわさんがすきです、と右近さんが「告白」する。

番組をきいていると、
わたしもふかわさんに興味がわいてきた。
ふかわさんによると、わかいころはもっと
こうしよう、とか、こうでなくては、と、
いろんなことにこだわっていたけど、
あるときからふとちからがぬけて、
楽にとらえられるようになったという。
「カブキ・チューン」のうちあわせでも、
わかったような顔をしてうなづいていたけど、
内容はぜんぜん頭にはいってないそうだ。
なにかをあらかじめきめこむと、
つまらなくなるのでやめたという。
ひとの番組にまねかれながら、
かたくなっているホストの右近さんに、おおわらいしつつ
「この番組をたのしんでます?」とたずね、
もっと自由にやったら、みたいにアドバイスする。
のびのびはなすふかわさんと、
自由でいなければというプレッシャーで
きゅうくつになっている右近さんが対照的だった。

いつもの右近さんは、26歳とまだわかいのに、
まじめそうで、おちついたかたりかけにより、
「カブキ・チューン」という番組を、
じょうずにコントロールしている。
歌舞伎の魅力や、歌舞伎界のしきたりなどもおしえてくれ、
なにやらかたい世界だとおもっている歌舞伎にたいし、
したしみをもたせてくれる存在だ。
その右近さんを、まるのみにして 豪快にわらいとばしながら
右近さんの肩のちからをぬこうとするふかわりょうさん。
「きらクラ」とはひと味ちがう魅力をふりまいて、
ふかわさんのおおきさが印象にのこる番組となった。
タグ:きらクラ

posted by カルピス at 20:25 | Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする