2019年01月06日

『タイ国鉄4000キロの旅』でタイの列車旅行をふりかえる

タイへの旅行で、2ど列車にのった。
はじめにバンコクのトンブリー駅から
300キロほど南のブラジュアップキーリーカンへ。
2ど目はアユタヤからドンムアン駅まで、1時間のみじかい移動。

ブラジュアップキーリーカンへいこうとおもったのは、
渡邊乙弘さんの『タイ国鉄4000キロの旅』をよんだ影響だ。
このブログで、なんどかこの本のすごさについてかいている。
http://parupisupipi.seesaa.net/article/412978336.html
http://parupisupipi.seesaa.net/article/414060630.html
列車の窓からみえる景色について、また、駅や列車の紹介など、
ものすごく くわしい説明に圧倒されてしまう。
すこしおおきな駅については、歴史的な背景もかたられる。
バンコク駅からアユタヤー駅間は、1897年3月26日、官営鉄道として最初に開業した区間です。この日は現在タイ国鉄の「鉄道記念日」となっていますので、動態保存されている蒸気機関車が記念列車の運行をバンコク・ファランポーン駅からアユタヤー駅間で毎年おこなっています(2012年7月現在、蒸気機関車修理中のため、ディーゼル機関車牽引で運行)。

なんでそんなことまでしっているのか、
鉄道ファンの底ぢからを、わたしははじめておもいしらされる。
こんかいの旅行でとおった路線についても、
『タイ国鉄4000キロの旅』はとうぜんふれてある。
自分でもじっさいにとおった路線について、よみかえしてみると、
この本が奇跡の一冊だとわかってくる。

鉄道について、ほとんど関心のないわたしなので、
せっかくタイの列車にのっても ありがちな感想しかうかんでこない。
各駅列車の3等だったので、冷房はなく、扇風機はまわらない
(さいわい、その必要がないくらいすずしかった)。
おかしやおかずなど、ものうりがひっきりなしにとおる。
列車は、たち往生することなく、ちゃんとはしっているのに、
目的地についたのは、予定よりも1時間おそかった。
窓からの景色は、むかって左は工事現場がおおく、
右は畑がつづいている。
わたしには、なんのへんてつもない景色でしかない。

それが、渡邊さんの手にかかると、
バーンラマート駅に7時42分に到着すると、右手ホームには二人の乗客が待っていました。この駅は無人駅で、ホームは一面芝で覆われ、駅票は手書きで小さな屋根だけの待合室があります。乗車が済んだので、この駅も短時間の停車で発車しました。後続のナームトク行きを待つ乗客が、待合室のいすに座って発車して行くこの列車を見つめていました。

もう、めちゃくちゃこまかい。
こまかすぎて退屈かというとそうではなく、
これだけの描写をするエネルギーがどこからくるのかに
ただ感心するばかりだ。
奇跡の書、というのは、
常識をはるかにこえたこまやかな記述が、
すこしもかわらずに 延々とつづいているからだ。
ふつうでは ありえない。
窓のそとにひろがる景色と、この本とをみくらべながら
タイの列車にのるのは、さすがにやりすぎかもしれない。
確認におわれ、そうとういそがしい旅になりそうだから。

posted by カルピス at 20:50 | Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする