『週休4日でお願いします』
新聞の番組欄で紹介されていた。
「働くことへの固定観念をほぐしていく作品」だという。
創作テレビドラマ大賞の受賞作ともある。
わたしもまた、週休4日でおねがいしたいほうなので、
なにかいいこころがまえがみつかればと期待した。
以下、ネタバレあり。
お弁当づくりの会社が舞台だ。
なんとか一人前に仕事がこなせるよう、
がんばろうとする店長代理の直人と、
タイトルどおり、週休4日を希望してきたパートの華。
ふたりとも26歳で、わかものを中心にすえたお仕事作品ともいえる。
直人は、目のまえの仕事をこなすのが精一杯で、
仕事によろこびやたのしさをかんじる余裕がない。
華のほうは、すでに自分のスタイルをうちたてている。
彼女のほんわかした雰囲気にひかれながら、
直人はあわただしい毎日につかれはてている。
週に4日しかはたらかないでくらそうとする、
華の人生観にもっと焦点があたるのかとおもっていた。
仕事でえる収入よりも、自分の時間を大切にする華は、
いったいどんな生活をおくっているのか。
こけしがすき、乾燥野菜をつくりはじめた、では、
わたしの好奇心がみたされない。
だいそれた覚悟がなくても、
週休4日でいこうとするひとはいるだろう。
なんとなくはたらきたくないから、でもいい。
それでも、結果としておおくの自由時間を手にするわけだから、
いったいそれが どんな生活となるのかをえがいてほしかった。
相手への気もちを、ことばであらわせなければ、
たとえば手をたたいて表現したら、
という華の提案も、わたしからするとものたりない。
すきならすきと、はっきりいえばいいのに。
それさえしないで、はずかしそうに手のひらをあわせる直人は、
あまりにも安直ではないか。
いきづまった直人に、「だめならわたしの家にきたら」
「弱者は群れたほうがいい」と華がいうのは、
唐突すぎる発言で、リアリティにかける。
いかにもシナリオのコンテストで入賞したような作品で、
いやみのない ほのぼの系として、
わるくはないけれど、ふくらみにかけている。
素材がいいだけに もったいない印象をうけた。