2019年04月02日

もうひとひねりほしかった『週休4日でお願いします』

『週休4日でお願いします』

新聞の番組欄で紹介されていた。
「働くことへの固定観念をほぐしていく作品」だという。
創作テレビドラマ大賞の受賞作ともある。
わたしもまた、週休4日でおねがいしたいほうなので、
なにかいいこころがまえがみつかればと期待した。
以下、ネタバレあり。

お弁当づくりの会社が舞台だ。
なんとか一人前に仕事がこなせるよう、
がんばろうとする店長代理の直人と、
タイトルどおり、週休4日を希望してきたパートの華。
ふたりとも26歳で、わかものを中心にすえたお仕事作品ともいえる。
直人は、目のまえの仕事をこなすのが精一杯で、
仕事によろこびやたのしさをかんじる余裕がない。
華のほうは、すでに自分のスタイルをうちたてている。
彼女のほんわかした雰囲気にひかれながら、
直人はあわただしい毎日につかれはてている。

週に4日しかはたらかないでくらそうとする、
華の人生観にもっと焦点があたるのかとおもっていた。
仕事でえる収入よりも、自分の時間を大切にする華は、
いったいどんな生活をおくっているのか。
こけしがすき、乾燥野菜をつくりはじめた、では、
わたしの好奇心がみたされない。
だいそれた覚悟がなくても、
週休4日でいこうとするひとはいるだろう。
なんとなくはたらきたくないから、でもいい。
それでも、結果としておおくの自由時間を手にするわけだから、
いったいそれが どんな生活となるのかをえがいてほしかった。

相手への気もちを、ことばであらわせなければ、
たとえば手をたたいて表現したら、
という華の提案も、わたしからするとものたりない。
すきならすきと、はっきりいえばいいのに。
それさえしないで、はずかしそうに手のひらをあわせる直人は、
あまりにも安直ではないか。
いきづまった直人に、「だめならわたしの家にきたら」
「弱者は群れたほうがいい」と華がいうのは、
唐突すぎる発言で、リアリティにかける。

いかにもシナリオのコンテストで入賞したような作品で、
いやみのない ほのぼの系として、
わるくはないけれど、ふくらみにかけている。
素材がいいだけに もったいない印象をうけた。

posted by カルピス at 21:28 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする