2019年06月14日

『夜廻り猫』むつかしいモネにごはんをすすめるお父さん「よし食べた!」がいいかんじ

『夜廻り猫』(深谷かほる)

『夜廻り猫』の第530話で、
なにかとむつかしいことをいうモネに、
お父さんとお母さんが夕ごはんを準備している。
http://www.moae.jp/comic/yomawarineco/561/1
「モネ ほーら お母さんがキスさばいて
 ゆでてくれたぞ 食べなさい」
とすすめても、モネはそっぽをむいたままだ。
でも、お父さんは、
「だめか」と かるくながす。
想定ずみだったように ぜんぜんめげない。
すぐにサジをとりだして、キスの身をすくってたべさせる。
「はい あーん よし食べた! いい子だ!」
「モネはたべるのも うまいなあ
 よーし じゃ ブロッコリもちょっと食べよう
 よし食べた!」

この、「よし食べた!」がいいかんじ。
ネコがごはんをたべてくれないと、
からだがどんどんよわってくるので、
食事をすすめるのは、家族にとってたいせつな仕事だ。
はげましながら つきそっていると、
すこしでもたべてくれたら、おもわず声がでる。
こんなふうに、ピピのそばについて
声をかけていたころをおもいだした。
モネは、目をつりあげ、口をへの字にまげ、
いつも めんどくさい注文をつけてばかりいるのに、
お父さんとお母さんは、
できるかぎりモネのいうことをききいれる。
無理難題をもとめるのが、モネの仕事なのだ。

お母さんはテンプラをあげてるうちに
お腹がいっぱいになり、
お父さんは、モネに食べさせているうちに
お腹がいっぱいになる。
食がすすまないふたりをみて、
モネは
「だめでしょ 食べなきゃバテるよ
 ふたりとも ほら たべなさい!!」と
目をつりあげて しかりつける。
モネだって、お父さんとお母さんを
心配する気もちがとてもつよい。
モネにふりまわされながら、
この一家は、これはこれで、うまくまわっている。

窓のそとには、一家をみまもる遠藤さんが ほほえんでいる。
「モネ はたらいておるな」
遠藤さんは、モネの役割をよく理解して、
モネならではのかかわりかたに満足そうだ。
それぞれの家のネコが、それぞれのやり方で、
家族がうまくいくように とりはからっている。

posted by カルピス at 21:18 | Comment(0) | ネコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする