前回の「ランスマ 」は、「教えて!金さん!」だった。
ランナーからの相談に、金さんがこたえていく企画だ。
まずはじめは、12歳のむすこが、箱根駅伝にでたいというので、
相談にのってほしいと、少年のお母さんがもちこんでいた。
むすこ本人ならまだしも、親がさきにうごくのはどうなんだろう。
まあそれはおいといて、
12歳の少年へ、金さんが全力でこたえていたのがいいかんじだった。
少年のフォームをみて、肩甲骨がうごいてないとアドバイスし、
修正するプログラムにとりくんだあと、じっさいにはしってみる。
そのあと少年の家をたずね、本人と両親をまじえ、
大学1年生で箱根駅伝へ出場するまでの8年間について、
1年ごとに目標をしぼり、長期計画をたてていった。
・小6 ごはんをもりもりたべる
・中1 陸上部にはいる
山であそぶ
・中2 スピードをみがく
・中3 福島駅伝いわき市代表にはいる
・高1 3000メートル 8分台
・高2 5000メートル 14分台
・高3 大学へはいるつよい気もちをもつ
・大1 箱根駅伝に出場
小6では、ごはんをもりもりたべる。
いいランナーになるためには、さかんな食欲が必要となる。
たべなければ練習ができないし、からだがつくれない。
中1での「山であそぶ」は、からだの機能をたかめるには、
いろんなうごきを体験すれば のびしろがひろがるから。
高3での「大学にはいるつよい気もちをもつ」は、
箱根駅伝の常連校に陸上で招待されないとき、
一般入試で大学へはいるためだ。
勉強をつづけるには、かならず大学へはいるんだという、
つよい気もちが必要になる。
大学入試におちたり、記録がのびなかったり、などの
つらいことや、うまくいかないことがあっても、
かならず将来の糧になる、というのもいいアドバイスだった。
すべての体験が財産になるので、
けしてなげださずに、まえをむいてつづけること。
こまかすぎず、おおざっぱすぎず、いい計画だとおもう。
小学校6年生のころから箱根駅伝をめざすのは、
長期計画すぎてわたしのこのみではないけど、
そんな相談をもちかけられたときにも、
金さんが具体的で実現可能なアドバイスをほどこすのはさすがだ。
わたしだったら、箱根駅伝だけが人生じゃない、
もっと気らくにかまえたら、なんて、
どうしても横にそらしてしまうだろう。
つぎの相談は、41歳の男性からのもので、
69歳の父親にレースでかてない、という内容だった。
ずいぶんたっしゃなお父さんがいるものだ。
父親にかちたいなら、それなりに練習すればいいとおもうけど、
ひとそれぞれいろんな事情があるのだろう。
このひとの場合は、体幹をつかってないので、
ひざだけで着地の衝撃をうけとめており、
ひざがいたくなりそうなフォームなのだという。
わたしも、はしっていてひざがときどきいたくなる。
からだの真下で着地しておらず、
ひざに負担がかかっているのかもしれない。
左うでも全体がかたく、いたみをかんじてリラックスしてふれない。
ランニングは、うごきのスピードがはやいため、
自分がどんなはしりをしているのかよくわからないものだ。
うでをふっているつもりでも、肩甲骨がうごいてないといわれるし、
骨盤をつかってない、といわれても、本人には自覚がない。
「ランスマ 」をみていると、なにかといえば
肩甲骨と体幹、それに骨盤をつかってない、
という3点がよくアドバイスされる。
改善のための体操やマッサージをおしえてくれるけど、
わたしのひだりうではあいかわらずうまくうごかない。
うでをスムーズにふれたら、どんなにらくにはしれるだろう、
というのがわたしのささやかなねがいだ。
箱根駅伝に出場するより、ずっとハードルがひくい。
目標をおさえ、現実的になるのが、年よりと12歳とのちがいだ。