NHKスペシャル「食の起源」が5回シリーズで放映されている。
第1回目は「ご飯」について。
糖質制限ダイエットがもてはやされ、
このごろは評判のわるいごはんだけど、
番組によると、極端な糖質制限をながいあいだつづけると、
健康に害がでるという報告がいくつもあがっているという。
なんだか糖質制限に反対したい番組のようで、
ごはんがいかに日本人のからだにあっているかをしきりに強調する。
人類の祖先が700万年前になにをたべていたかをしらべると、
狩猟による肉だけでなく、
どんぐりや地下茎などの炭水化物もとりいれている。
研究では、全カロリーのうち、
5割が炭水化物によるものだという。
なまではたべにくい どんぐりや植物の地下茎も、
熱をくわえると、たべやすいし、おいしくなる。
火をつかっての料理で、脳は糖質からおおくのエネルギーをえる。
脳はおおきくなり、人類の進化が加速度ですすんだ。
日本人の祖先は、炭水化物をとりいれる方法として、米をえらんだ。
たくさんの米をたべることで、日本人の遺伝子が進化し、
糖を活用しやすいからだに適応させてきたという。
それでは、ごはんをあまりたべなくなっている現代の日本人は、
どれだけたくさんごはんをたべるようにしたらいいのだろう。
番組では、炭水化物をとらないと、
健康へのリスクがたかまるけど、
おおくとりすぎるのもまた、からだにわるいという。
現代の日本人に適切なお米の量は、
1食におちゃわん1杯なのだそうで、
外食すればすぐにごはんをたべすぎてしまう。
ごはんはすばらしい、というわりには、
なんだかとても常識的なはなしにおちついている。
きょうの朝日新聞に、家の味つけがこゆいと、
脳梗塞がおきやすい、という研究が紹介されていた。
「家族の健康を守るために、濃い味付けの家庭は、薄くしてほしい」
のだそうだ。
明治時代の研究ならわかるけど、いまさら
「塩分のとりすぎは脳梗塞に」、なんていわれても、
あたりまえすぎてちからがぬけそうだ。
「食の起源」も、そんなかんじ。
あまり目あたらしい情報はなく、
期待していただけに、肩すかしをくった。
「食の起源」は、これから塩・脂・酒・美食へと回をすすめていく。
1回目の「ご飯」は、進化や遺伝子のはなしがおおく、
研究の成果といわれると、はいそうですかというしかない。
わかったようで、ふかいところでは理解できず、
消化不良の気もちがのこされた。
研究の名において、いいくるめられたかんじ。
2回目以降が、わかりやすく刺激的な内容であるよう期待したい。