2020年01月06日

「前畑がんばれ」は、「前畑がんばれ」しかないよなーとおもった。

いまさらながらだけど、『いだてん』をみている。
正月に再放送された総集編だ。
ただでさえテンポがはやいと評判の作品なので、
総集編なると、ますますわけがわからない。
あらすじをおっかける紙芝居みたいだ。

ベルリンオリンピックでは、有名な「前畑がんばれ」がでてきた。
女子200メートル平およぎ。ラストのデッドヒートで、
アナウンサーがなんどもなんども「前畑がんばれ」を絶叫する。
わたしは「がんばれ」がすきではないけど、
あの場面は もう「がんばれ」しかないよな、と納得する。
前畑秀子選手をえんじた上白石さんもよかったけど、
彼女とラストをあらそったドイツ人選手がすばらしかった。
自分は2着だったのに、こころからの笑顔で
「またいっしょにおよぎましょう」と前畑選手にはなしかける。
彼女としても納得のいくレースだったのだろう。

ネットをみると、このときに前畑選手がだした記録は3分3秒6。
その56年後におこなわれたバルセロナオリンピックで
当時中学2年生だった岩崎恭子選手が
おなじく200メートル平およぎで金メダルを獲得している。
タイムは2分26秒65。
中学2年生なのに、おもわずくちをついてでた、
「今まで生きてきたなかで 一番しあわせです」
というコメントが話題になった。

調子よさそうで恐縮だけど、事実なのでおひろめすると、
わたしもまた平およぎを専門とする水泳選手だった。
200メートルのベストタイムは2分46秒4。
100メートルは短距離で、センスとちからの世界だけど、
200メートルとなれば中距離の要素がでてくる。
才能だけでなく、がんばればなんとかなる種目で、
だからわたしは200メートルが専門だった。
女子と男子のかきねをとりはらい、突然ながら、
わたしと前畑選手・岩崎選手の3人で、記録をくらべてみたい。
わたしのタイムは、ちょうどおふたりの記録の
まんなかあたりに顔をだしている。
日本水泳界にのこるふたりの記録と、
なにやら関係がありそうな気が しないこともない。
これもなにかの縁にちがいない。

『いだてん』では、上白石さんのほかにも
俳優さんが水泳選手をえんじている。
ほとんどおよげないひとが、みじかい期間で
クロールをマスターしたはなしもきく。
じょうずに撮影されているせいか、画面をみるかぎり、
それなりの迫力をかんじるおよぎで、
まさか まったくの初心者とはおもえない。

わたしはいまも週1回はプールへかよう。
まえに選手だったとはおもえないフォームとタイムで
ヨロヨロと2000メートルほどおよぐ。
短期間に上達するひともいれば、なだらかに、
でもちゃくじつにおそくなっていく元選手もいる。
水泳はドラマだ。

posted by カルピス at 21:24 | Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする