2020年01月10日

『戦場のピアニスト』

『戦場のピアニスト』
(ロマン=ポランスキー:監督・2002年)

(以下、ネタバレあり)
ポーランドのワルシャワが舞台で、
ユダヤ人を弾圧するドイツ軍は、
ユダヤ人だけの居住地としてゲットーをつくり、
彼らを強制的におしこめる。
主人公は、ポーランドでいちばんというピアニスト、シュピルマンで、
彼はしだいに演奏する場をうしない、強制労働につかされる。
状況はしだいに悪化してゆき、強制労働はきびしさをまし、
かえる便のない列車にそせられて、
どこかへつれていかれるひとたちが続出する。
ソビエト軍が東からせまってくるにつれ、
ドイツ軍はワルシャワの町を徹底的に破壊する。

ポーランドのゲットーが舞台なのは、
『シンドラーのリスト』とかさなっている。
シンドラーは、ユダヤ人をすくおうと、
彼らが貴重な労働力であるとドイツ軍にかけあい、
おおくのひとに人間らしいくらしを保証した。
『戦場のピアニスト』には、すくいがない。
当時のユダヤ人がおかれた状況を、
正確にあらわしているのだろうけど、みていてつらくなる一方だ。

『戦場のピアニスト』は、
カンヌ映画祭でパルムドールを受賞している。
どうもわたしはこの賞と相性がわるく、
これまでに何本もとちゅうでなげだした
(『パルプ・フィクション』など、例外もある)。
このまえも、『スケアクロウ』についていけず、
半分ほどみて あきらめた。
もういいかげんこりて、パルムドール作品はさけたほうがよさそうだ。

ナチスの高級将校といえば、
音楽への造詣がふかいことになっているようで、
この作品でもかくれていたシュピルマンをみつけたドイツ軍の大尉が、
彼に職業をたずね、ピアニストとこたえるシュピルマンに、
なにか演奏するようもとめる。
シュピルマンの演奏をみとめた大尉は、
彼のもとに食料をはこぶようになる。

こまかいことをいわせてもらえば、
『戦場のピアニスト』ではなく、
『戦火のピアニスト』ではないだろうか。

posted by カルピス at 17:58 | Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする