ルパンが肉やチーズにソーセージと、
大量にたべものをかきこむ有名な場面がある。
機関銃でうたれ、ふかい傷をおったルパンが、
はやくからだをもとにもどそうとして、
たべものをもとめたのだ。
ルパンが次元に
「くいものだ!くいものをもってこい!」というと、
次元は「おかゆか?」とききかえす。
大ケガをおい、ついさっきまでねこんでいた人間なのだから、
「おかゆか?」は当然の発想だろう。
でも、ルパンは
血がたりねえ、なんでもいい
ジャンジャンもってこい
という。
とてもおかゆなんかでは、おさまらないかんじだ。
ただでさえ、ひっそりかくれているルパンたちだから、
そうかんたんには食料を用意できない。
「ジャンジャンもってこい」
といわれても次元はこまってしまう。
「そんなこといったってよ」と、とまどっていると、
庭師のおじいさんが
「わしがなんとかしよう」
とひきうけ、ごちそうの山をルパンたちにとどける。
そのごちそうを、ルパンはすごいいきおいで
ぜんぶかきこんでしまう、というのが冒頭の場面だ。
説明がながくなったけど、ああいう場面で
「わしがなんとかしよう」
といってくれるひとの存在がどれほどありがたいか。
なにげないひとことだけど、
おじいさんがひきうけてくれなかったら、
ルパンたちはおわっていた。
仕事でもプライベートでも、メンバーがこまっているとき、
「おれがなんとかするわ」
といえる人間がいたら、どれほどすくわれるか。
そういえる人間でありたいと、ふとおもった。