2020年02月26日

新型コロナウイルスを差別につなげない

新型コロナウイルスが日本でもはやってきたし、
もともと日本人と中国人のちがいなんて、
ほとんどのひとはみわけできないのだから、
海外にいる日本人が警戒されているらしい。
日本はリスクのたかい国とみられ、日本へいくことも、
日本人がおとずれることも、さけている国がある。
けさの「天声人語」(朝日新聞)では、
(駐在記者が)イスラエルの街を歩くと、「コロナ!」となんども指をさされる。すれ違いざま、さっと口を覆われることも。

というはなしが紹介されている。
日本でも、中国からかえってきたひとたちがいじめられるとか、
豪華客船にのっていたひとや、患者の治療にあたった
医療関係者が差別をうけているという。いやな雰囲気だ。
東日本大地震のとき、福島のひとが
差別されたのをおもいだす。
差別はよくないといいながらも、
おなじことが、なんどもくりかえされる。

フランスとモロッコを旅行したとき、
すれちがいざま「シノワ」と よくからかわれた。
子どもまでバカにした態度をとり、石をなげられたこともある。
それまで差別される経験のなかったわたしは、
からかわれるとすごく腹をたてた。
「シノワ」といわれると、おいかけたり、いいかえたりしたもので、
不愉快なおもいでとして いまでもおぼえている。

サッカーライターの西部謙司さんが、
スペインの「リーガエスパニョーラ」でおきた
久保選手への人種差別をとりあげている。
「悪意がなくても差別は発生する」
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6614957
久保はエスパニョール戦の後半20分に交代出場しているが、その際にアップしている久保を呼ぶにあたって、フィジカルコーチが指で両目の端を引っ張って目を細める動作をしていたのだ。「交代出場は日本人だ」と、仲間に伝えるためのジェスチャーだった。

相手チームの選手を差別するのはもちろんよくないけど、
おなじチームの選手にたいし、
「両目の端を引っ張って目を細める動作」、なんてひどいはなしだ。
西部さんは、
これをやったのはマジョルカのフィジカルコーチなので、自分のチームの選手を差別するとは考えられない。リーガも「差別意識はなかった」として、特に罰則は与えなかった。
 しかし、これは人種差別そのものだ。そのつもりがあろうがなかろうが、行為自体がアウトである。むしろ差別意識がなく差別をしているという点で、問題はより根深いのかもしれない。

自民党の議員が、むじゃきに失言をくりかえすのといっしょだ。
「差別意識がなく差別をしている」。

インフルエンザは まいとしのように流行し、おおくの患者がでる。
ひとにうつされるのはいやなので、
セキやくしゃみをするひとは、マスクをつけるのがエチケットだ。
ただ、自分がインフルエンザになったからといって、
だれか特定のひとからうつされたと、非難したりはしない。
おたがいさま、という感覚が、あるていどそだっているからで、
露骨な差別にはつながらない。
新型コロナウイルスは、まだそこまでなじみのある病気ではない。
よくわからないから おそれられるわけで、
これからいろんなことがあきらかになれば、
だんだんと 合理的でおだやかな対応がとられるようになるだろう。
差別や排除ではなく、団結につながるうごきをつくれないものか。

posted by カルピス at 21:40 | Comment(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする