いつもとちがう「日常」になっているいま、
休校になって、1個だけ、いいことがあった。
と伊藤理佐さんが「オトナになった女子たちへ」
(朝日新聞)にかいている。
タイトルは、「いいことみっけ」。
となりにすむ5年生の女の子が、
むすめさんをあそびにさそってくれたのだという。
ピンポーン、と、鳴らしてくれた。ならしてもらって気づいたけど、とても鳴らしてほしかった。毎朝、学校には一緒にいくけど、遊ばない関係の2人。
伊藤さんは、むかいの家で、高校生の男の子が、
玄関を本格的に掃除していたのもみかけた。
(男の子がいたのは)知っていたんだけど、こんな長身だったとは。おばちゃん、つい、声かける。「掃除?」
「はい。休校で暇だから」(中略)
いいこと1個だけじゃないじゃん。なんか、いっぱいあった。
ほかにも、2階の窓から子どもたちにむけ、
クイズをだしてくれたおばさんもいたそうだ。
こんなときだから、いつもはできないことをする。
いつもとちがうことに気づく。
どんな状況になっても、生活していくことにかわりはない。
できないことをためかないで、いまだからできることをためしたい。
「いいことみっけ」って、すてきなとらえ方だ。
いつものくらしが、「いいこと」だというのは、もうわかっている。
なんでもない日こそありがとう、は、震災のときにみんなが気づいた。
どこかへいかなくても、いつもの生活でじゅうぶんだ。
そのなかで、「いいこと」をみつけられるかどうか。
いまの状況はどこか、大雪がふったときに 似ていないか。
雪が20センチでもつもれば、「いつもとおなじ」ではいられない。
かといって、身の危険が、すぐちかくにせまっているわけでもない。
学校はやすみだったり、下校がはやかったり。
雪かきをして、家のまわりをととのえる。
近所のひとと、いつもはしないあいさつをかわす。
大雪は、不自由をするけど、「いいことみっけ」のときでもある。
ちがうのは、いつまでこの状況がつづくのか、
はっきりとしたみとおしが もてないことだろうか。
だからこそ、いつもとちがうくらしのなかで
「いいこと」に気づきたい。