新年度にかわるまえ、保護者のかたが、
「ささやかなお礼」といいながら、
ちいさな紙袋をわたしに手わたしてくれた。
なんのことかわからず、でもまあ かたくなにことわるよりはと、
お礼をいって ありがたくいただく。
家にかえり、袋をあけてみると、
「NEKO MANMA」とかかれた小箱がはいっている。
なかみは鰹節と和風だしだった。
あたらしい年度がはじまると、それまでの送迎コースがかわる。
わたしがもう4年くらい、おなじコースをうけもっていたので、
それまでのおつきあいにたいして、
「ささやかなお礼」としてくださったようだ。
送迎は仕事なのだから、「お礼」なんていただいてはいけないけど、
こういうときは、すんなりうけとったほうがよさそうだ。
わたしの家にネコ(ココ)がいるのを、なぜしっておられたのだろう。
「NEKO MANMA」の小箱に、わたしは はげしくよろこんだ。
ふつうになにかのお礼をもらうより、しみじみとうれしかった。
その年に体験した であいやよろこび、
それにおいしかったものを、大晦日にふりかえるという
「七味・五悦・三会」でいえば、このプレゼントは、
五悦の上位にまちがいなくランクいりする。
くらい気もちにさせられる社会情勢にくわえ、
新年度特有のざわざわした雰囲気で、
日常をみうしないそうになるなか、
このささやかなプレゼントにすくわれたおもいだ。
わたしのことを気にとめてくれるひとがいること、
冗談をからめたプレゼントにしてくれたこと。
プレゼントって、気もちがだいじなんだと よくわかった。
それにしても、わたしはなんですごくよろこんだのだろう。
自分でもおどろくほど血がさわいだプレゼントだった。
4月8日はココの誕生日だ(推定)。2歳になる。
きのうの記事にもかいたとおり、
毎日ほめちぎり、はげしくハグして「すき」をつたえてきせいか、
かわいくて、あまえんぼうのままおおきくなった。
ボールあそびや、たたかいをいどむのがだいすきで、
子ネコというより、子犬とくらしているような気がする。
ネコは、毎日おなじながれをこのむ。
いまココがすきなのは、わたしがかえってきたとき
玄関にでむかえて、ブラシをねだること。
気もちのいい方向にからだをそらし、
ゴロゴロころがりながらブラシをたのしむ。
ココのおかげで、またひとつ いいおもいをさせてもらった。