(施川ユウキ)
4巻目をよんでから、ずいぶん日がたった。
あの世界がなつかしくなり5巻をダウンロードする。
おわりのほうにあるコラム{二十周年}によると、
作者の施川さんが『バーナード嬢曰く。』
をかきはじめたのが2011年だから、そろそろ10年がたつ。
1巻をひっぱりだしてみると、さすがにいまとは絵がちがう。
神林さんは、いつもイライラして、
町田さわ子にそのはけぐちをむけていたのに、
5巻ではすっかりなかのいい友だち同士だ。
そもそも町田さわ子は、
本をよまずによんだふうをよそおいたいひと、だったのに、
だんだんキャラがかわってきた。
5巻では、それなりに本をよみ、
彼女なりの感想をもつようになっている。
5巻でおもしろかったのは、もっともらしそうにきこえるけど、
じつはふつうのことしかいってない、というはなし。
町田さわ子が(彼女だけは敬称略のほうがしっくりくる)
『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』
をいちどよみだしながら、またとじてしまった。
なにかいいたそうなので、神林さんが
「で どう合わなかったのか言わないのか?」
とうながす。
「良い本だと思うよ」
と町田さわ子はいちおう評価しつつも、
たまにツイッターとかでバズってる
深いようでよく考えたら普通のこと言ってるだけの
ちょっといい話風の文章・・・あるでしょ?
アレを思い出すっていうか
と、もっともらしいことをいう。
町田さわ子は、さらにはなしをつづける。
人生に必要な知恵はすべて
人生そのものの中にある
だから
私たちは日々
学び続けなければいけないんだ
今日も!明日も!明後日も!
・・・それ
深いようで
無茶苦茶
普通のこと言ってますよ
と、長谷川さんがつっこんだ。
そうなんだよね。
本って、活字って、
ふかいようでけっこうふつうのことって、よくある。
電子書籍だけあって、「あとがき」がかかれたのは
2020年の4月6日となまなましい。
コロナにもふれてある。
5巻には、マスクをしている神林さんと町田さわ子がでてくるけど、
こちらはインフルエンザがはやっていたころの話題だから。
これからの漫画には、マスクがかならずえがかれるのだろうか。