きのうの夕方、家にかえると、玄関のよこで子ネコをみかけた。
生後1ヶ月ほどのキジトラ。
つぎの日にだす もえるゴミの袋が外にあったので、
たべもののにおいをかぎつけ、袋をやぶいていた。
わたしがちかづくと、すぐににげる。
でも、おなかがすいているようで、袋に未練がありそうだ。
ネコのかんづめをお皿にのせてもっていく。
わたしの姿があるとたべないけど、いなくなるとたべはじめる。
しばらくしてからお皿をみにいくと、ぜんぶたべていた。
夜にかんづめのおかわりをだしておいたら、
朝からっぽになっていた。
子ネコは右目が白くにごっている。
からだつきもやせていて、いかにもおなかをすかせたノラネコだ。
にげなければ、病院へつれていけるし、ご飯もあげられる。
ノラネコのおおくはひとをおそれるけど、
自分で学習した結果、というよりも、
ひとにちかづかないよう親からまなんだのだろう。
日本のネコがひとをおそれるのは、
残念な歴史がやまほどあるのだろう。
もう30年ちかくむかし。
アルジェリアへいこうと、モロッコの首都ラバトにある
アルジェリア大使館へビザの申請にでかけた。
事務官のつくえのうえには、ネコが惰眠をむさぼっていた。
事務官は、めんどくさそうに、ネコを両手でおしやって
事務仕事をするスペースをつくった。
あとでさいとう夫婦の『バックパッカーパラダイス』をよむと、
おなじ体験がかいてあり、まったくかわっていないのがうれしかった。
無事にビザを手にいれ、アルジェリアの西部の町、オランへでかける。
たかいホテルにはいると、フロントのよこに木がうえられていて、
そこの砂にネコがおもいっきりウンコをした。
ホテルのひとはとくにネコをおっぱらわず、
しょうがないなー、というかんじでみていた。
ふたつの例だけで断言はできないけれど、
アルジェリアはネコの天国かもしれない。
ココは2年まえの5月28日に わたしの家にきた。
ノラネコだったココは、おなかがへったからか、
さみしさからか、ブロック塀のむこうでずっとないていた。
それほどわたしをおそれなかったので、
何日かごはんをあげたのち、家につれてかえることができた。
にげなければ、すくわれるネコがいる。
ネコがにげない町は、きっとひともすみやすい町だ。