2020年06月21日

いまさらながら『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
(タランティーノ:監督・2019年・アメリカ)

むだなおしゃべりがやたらにおおく、
いったいなにがいいたいのかよくわからないまま
ずるずるとストーリーがすすんでいく。
ラストは、ディカプリオの家におしいってきたヒッピーたちを、
プラピとディカプリオがめちゃくちゃな暴力でやっつけて、
おとなりさんから「たいへんだったね」と家に招待される。
そこでエンディングとなるのだけど、
わたしは、いままでがながすぎたオープンングで、
本編がここからはじまるのかとおもった。
タランティーノ作品らしい、いかれた映画だ。
わるくないけど、え、これでおわり?とずっこけた。
まあ、ディカプリオとブラピが主役で、
タランティーノ作品なのだから、いいじゃないの、というかんじ。

ディカプリオは、おちめの役者リック=ダルトンをえんじ、
ブラピはクリフ=ブース役で彼のスタントマンをつとめる。
ブラピは過去になにかと問題をおこし、
いまではスタントマンの仕事がまわってこない。
ディカプリオは、酒をのみすぎて、
セリフをおぼえられなくなった、おちめの役者だ。
むかしは主演をつとめてきたキャリアがありながら、
いまでは自信をなくし、2番目のポジションで満足している。
8歳の子役に演技をほめられてなみだぐんだり、
なんとかぶじに演技をおえると、緊張がほぐれてぐったりとなる。
ディカプリオがよくこの役をひきうけたとおもう。
自宅ちかくにまぎれこんだヒッピーにわめきちらしたり、
プールにゴムボートをうかべて酒をのむのが習慣だったりと、
いいとこなしのディカプリオにくらべ、
ブラピは自分をうしなわず、なにをやってもかっこいい男だ。

おちめのディカプリオに、これからイタリアへいって
マカロニウエスタンにでろとすすめるプロデューサーが
アルパチーノだったとは、わからなかった。
映画『大脱走』の撮影現場で
ディカプリオがオーディションをうけていたり、
プラピがブルース=リーとカンフーでたたかったりと、
いろんとあそんであり、ゴージャスな作品にしあがっている。

ネットには「シャロン=テート事件」が背景と、
さかんにかかれているけど、そんなのしらなくても
この作品をみるぶんにはぜんぜんかまわない。
シャロン=テート役のマーゴット=ロビーが
ミニスカートをひらひらさせてあるくのが かわいい。
60年代のハリウッドの雰囲気を、
タランティーノがお金をたっぷりかけて再現した作品だ。

posted by カルピス at 21:02 | Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする