2020年07月03日

『クロールー凶暴領域ー』

『クロールー凶暴領域ー』
(アレクサンドル=アジャ:監督・2019・アメリカ)

フロリダの町にハリケーンがちかづいてきた。
はげしい雨に町は水びたしとなる。
連絡がとれない父親を心配し、
女子大学生のヘイリーは、家のようすをみにいく。
地下室で、ようやく父親をみつけたけど、
地下室にはワニが何匹もはいりこんでいた。
地下室だけでなく、池みたいになったとおりにも、
ワニがうじゃうじゃいる。

ストーリーはかんたんだけど、家のなかやまわりを、
ワニがうようよおよいでいる、という設定がおっかない。
まえに『ワニの町へ来たスパイ』というミステリーをよんだ。
こちらはルイジアナ州が舞台で、ストーリーにワニがからんでいる。
アメリカ南部の町は、そんなふうに、
ワニが身ぢかな存在なのだろうか。

ヘイリーは、やっとみつけたお父さんを、
地下室からたすけだそうとするけど、
ワニが何匹もいるので、うっかりうごけない。
おれが排水管をたたいてワニの気をひくから、
おまえはおよいで階段までいけ、なんて
お父さんが提案していたけど、
ちょっとあぶないんじゃないかとおもう。
そのすこしあとでは、ワニは水しぶきに反応するので、
水しぶきをたてなければ大丈夫だ、といいながら、
とおりのむこうにうかんでいるボートを、
ヘイリーにとりにいかせたりする。
はじめはぬき足さし足でヘイリーはすすんでいたのに、
とちゅうから「いそいでおよげ!」に方針がかわる。
けっこうテキトーな指示をだすおとうさんだ。

そもそも、いくら水泳選手でも、
服をきたかっこうで、ワニよりはやくはおよげない。
ただ、作品の冒頭に、ヘイリーが水泳大会でおよぐ場面があり、
あれぐらいはやくおよげるひとなら ひょっとして、
とおもわせるから、わかい水泳選手をヒロインにすえたのはうまい。
はじめのころヘイリーは、半分水につかりながらワニからにげていた。
それが終盤になると、ワニとおよいで勝負、にかわってくる。
あいてがサメだと、およいでにげるのはぜったい無理だけど、
ワニだったらなんとかなるような気がする。
何匹のワニにおわれながら、必死でにげるヘイリーがリアルだ。
もと水泳選手だったわたしだけど、
いまではきわめてゆっくりしかおよげない。
冒頭の水泳大会で、選手たちがみせたおよぎはほんものだった。
きれいで迫力のあるクロールをみて、
この映画への評価があまくなったみたいだ。

posted by カルピス at 20:43 | Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする