「KUKO」がオーブンして3週間がすぎた。
これまでクッキーをつくっていた部屋は、
ふえてきた利用者には つかいにくくなったので、
あるいて200メートルのところに
あたらしくひらいたお店が「KUKO」だ。
改修工事がおわり、いつでもお店をあけられたけど、
ちょうど新型コロナウイルによる自粛期間となったため、
営業開始がおくれてしまった。
そのあいだ、お店のまえをとおるひとは、
いったいここはなんのお店なのだろうと
気になっていたようだ。
とくに開店をしらせる看板はだしていないのに、
いちにちに、なんにんかのひとがお店をのぞき、
クッキーやプリンをかっていかれる。
かくれがみたいなお店もかっこいいね、と、
情報誌には開店をおしらせしていないし、
SNSによる積極的な宣伝もしていない。
なによりも、営業時間が10時から16時と、
会社つとめをしているひとにはたずねにくいい時間設定だ
(土日、祝日は休業)。
名実ともにまぼろしのお店として、ひっそり、そっけなく営業したい。
店内には、AMラジオの番組がながれている。
気のきいたオーディオなどではなく、
棚のしたにおいてある、レトロなラジカセなのに、
音響効果をかんがえつくした装置のように、クリアな音だ。
ふるいのか、あたらしいのかわからない空間となり、
いかにも「KUKO」らしい、それらしい雰囲気をだしている。
駐車場もないので、「KUKO」にこようとおもったら、
どこかはなれた場所に車をとめ、
いくらか あるかなければならない。
でも、都会では、駐車場がないお店なんてあたりまえだろう。
しばらくやってみて、駐車場がないことは
「KUKO」のつよみかも、という気がしてきた。
コロナの影響で、いまはクッキーとプリンだけの販売だけど、
もうすこしおちついたら、コーヒーメーカーでいれた
ドリップ式のコーヒーをやすく提供し(寄付ていど)、
お店のなかでクッキーやプリンとともに
くつろいでもらえたら、とおもっている。
みためがおちついていて、かつ そこそこおしゃれなので、
こんなお店ではたらきたいと、就労継続B型事業所として、
これから「KUKO」は人気がでるにちがいない。
いまはいちにち平均6人の方が利用されているけど、
すぐにまた手ぜまになりそうだ。