目がさめたとき、子ネコがおなかのうえにいた。
きのう家につれてかえった子ネコが、
あっという間に家じゅうをうごきまわるようになり、
夜はわたしのベッドにきたようだ。
ゲージにいれていたら、下のすきまからでてしまい、
まあいいかと、そのまま子ネコの自由にさせた。
さみしがりやで、くつろぐときは、
ひとにだかれたがる。そして、おおきくのどをならす。
子ネコらしく、いろんなものに興味をしめし、
すでに家じゅうの探検をおえている。
障子をやぶり、ゴミ箱をひっくりかえし、
かなり手のかかる子ネコのようで、それだけにかわいい。
網戸のそとをうかがっているので、
そのうち家からでて あそぶようになるだろう。
ココがいちねんで活動範囲をひろげてきたのを、
この子ネコはいちにちでクリアーしてしまった。
心配していた先住民であるココは、
新顔の子ネコをうけいれてくれ、
母ネコみたいにやさしくつきそっている。
ココのしっぽにじゃれついたり、
おにごっこにさそったり、子ネコにとってもココは
いい保護者にうつっているようだ。
きのうはすぐに里親をみつけようとおもっていたのに、
1日いっしょにいただけで、かわいさに気もちがゆれる。
きのうお世話になったしりあいによると、
茶トラは人気があるので、譲渡会でもよくひきとられるらしい。
わたしが身のまわりで里親になってくれるひとをさがさなくても、
かってくれるひとはみつかりそうだ。
問題はわたしの気もちとなった。
子ネコは耳におおきなかさぶたをつくっていて、
からだにもいくつかキズがある。
いろいろたいへんな目にあってきたようで、
それでもひとなつっこさをうしなわずに、
わたしとであうまで いきのびてくれた。
そして、たった1日でわたしをグニャグニャにした。
これぐらいあまえてくれるネコはそうおおくない。
あたりネコといえる別格のかわいさだ。
はげしくあそび、ごはんをたべるとふかくねむる。
完全に気をゆるしており、なにをされてもおきない。
子ネコのかわいさをまえに、いまさらわかれられなくなる。