2020年08月09日

『今日も、Jリーグ日和。』平畠啓史さんの、ひろくふかいサッカー愛

『今日も、Jリーグ日和。』
(平畠啓史・ヨシモトブックス)

「サッカーダイジェスト」に連載されたコラムをまとめたもの。
平畠さんは、NHKBSの「Jリーグタイム」に
ときどきゲスト出演されており、
サッカー愛にあふれたおしゃべりがいいかんじだ。
まえはJ2特集の担当みたいなポジションだったけど、
このごろは、J1の試合を速報する、ふつうの回にも顔をみせている。
Jリーグというと、J1ばかりが注目をあつめがちだけど、
平畑さんは、J2やJ3の試合にも足をはこび、
選手だけでなく、サポーターにも声をかける。
とにかく、サッカーがすきでたまらないひとのようで、
頭のなかには はかりしれない量の知識・情報が蓄積されている。
「Jリーグタイム」に出演するときも、
ほかの解説者が戦術についておおくかたるなかで、平畠さんは
選手やサポーターが、どんなおもいでいるかを的確にすくいあげる。
Jリーグがどうしたらもっともりあがっていくかに気もちをこめる。

本書は11章からなり、ひとつのはなしは3ページ弱とみじかい。
誠実なひとがらが、そのままあらわれている文章で
よんでいて とてもいい気もちになってくる。
はなしのおわりに(マニアック指数)がそえてあって、
たしかにものすごくマニアックなはなしもあるけど、
でも、どれもサッカーへのあついおもいにみちている。
それぞれのコラムにマニアック指数なるものがありますが、これは驚くほど何の目安にもなりません。

がおかしい。
「サッカーパンツのはきかた」
「選手たちがバスにのるときの席順」
ほんとにサッカーがすきなおっさんだ。

平畠さんがスタジアムへいくと、
サポーターから声をかけられる。
「ひらちゃん、ちょっと話を聞いてもらっていいですか?」
ほかのサッカー解説者に、
こんなふうな声かけはふつうしないだろう。
 アルウィンで松本山雅FCが好きでたまらない40代くらいの女性と出会った。ホームゲームが待ちきれず、練習見学にも行くという。ただ、大人になればいろいろな用事がある。見学できない日はどうするのか訊いてみると、驚愕の答えが返ってきた。「妄想します!」

Jリーグは、こんなあついサポーターにささえられている。
平畠さんもまた、Jリーグの魅力を
おおくのひとにひろめている伝道師だ。
Jリーグは、わずか27年のあいだに、日本のスポーツ文化として、
全国各地にひろく、ふかく、根をひろげた。

posted by カルピス at 13:40 | Comment(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする