あるきの師匠をさそって20キロの「あるき」にでかける。
師匠は高校生のときにあるくたのしさをしり、
それ以来ずっとあるくことだけをだいじにしてきたひとだ。
サンチャゴ巡礼にも、ル=ピュイを起点にしたコースと、
ポルトガルからのコースの2つを体験している。
いっしょにあるくのは1年ぶりなので、
たまっていたはなしをやりとりしながら
時速5キロのペースでひたすらあるく。
23℃とすずしくて、風もさわやかだ。
あるくには絶好の日となった。
師匠とあるくときは、いつもスーパーでバゲットをかい、
それにハムとチーズをどっさりいれたサンドイッチをつくる。
きょうはハムのかわりにベーコンの燻製にした。
こじゃれたスーパーなので、3つの食材だけで1000円したけど、
できあがったサンドイッチのボリュームは迫力がある。
もうひとつちからをいれたのが白ワインだ。
すずしいとはいえ、まだ赤ワインよりもつめたい白ワインがのみたい。
スーパーにはひやしたワインがおいてなかったのでコンビニにより、
いつものんでいるアルパカの白ワインと、ブロック氷をかう。
氷の袋にワインのビンを直接いれてひやした。
200円の氷をひやすだけにつかうのはもったいないけど、
ほかに方法をおもいつかない。
映画『愛と哀しみの果て』をわたしはおもいだす。
第一次世界大戦ごろのケニア、
しかもサファリでのキャンプにもかかわらず、
ディナーのテーブルにはワインだかシャンパンが
バケツにいれてひやされていた。
なんて自分たちのスタイルをくずさないひとたちだと、
映画をみたわたしはあきれたものだけど、
きょうの白ワインは、わたしなりの『愛と哀しみの果て』である。
ビニール袋につっこまれたワインのビンは、
ぜんぜんおしゃれじゃないけど、目的はじゅうぶんにはたし、
サンドイッチをたべるころにはしっかりひえていた。
ふたりでワインを1本あけると けっこうよいがまわってきた。
目のまえの宍道湖はおだやかで、
なんとぜいたくな時間かとしみじみうれしい。
ようやく秋がきたこと、いい「あるき」だったことをおいわいする。