『ダークナイト』
(クリストファー=ノーラン:監督・2008年・アメリカ)
『ダークナイト』をみる。
いわゆるバッドマンもので、なんていうと、
わたしがバッドマンにくわしそうだけど、
『ダークナイト』は、はじめてみるバッドマン作品だ
(『ジョーカー』をのぞく)。
バッドマン、ジョーカー、それにゴッサムシティはよく耳にする。
でも、耳にするだけで、なんのことかはわかってない。
せんじつ『ジョーカー』をみた。
興味をひかれながらも、よくわからない。
『ダークナイト』をさきにみてから『ジョーカー』にすればよかった。
『ダークナイト』をみていて不思議におもったのは、
アメリカ人は「バッドマン」における正義と悪をしりながら、
なんでドナルド=トランプ氏みたいなひとを
大統領にえらんでしまうのだろう。
『ダークナイト』でのジョーカーを、
現実にやっているのがトランプ大統領ではないのか。
アメリカじゅう、世界じゅうが、ゴッサムシティになってしまうぞ。
2隻のフェリーが避難したひとたちをのせ、岸をはなれた。
いっぽうには一般人が、もういっぽうには囚人たちがのっている。
どちらの船にも爆弾がしかけられており、
乗組員に起爆装置がわたされている。
さきに相手の船をしずめたほうがいきのびられるぞ、と
ジョーカーがそそのかす。
一般人がのった船では、もう一隻にのっているのは囚人なのだから、
こちらがさきにスイッチをおそう、という意見が主流となる。
囚人たちがのったフェリーは、乗組員が起爆装置をまもっている。
爆発が予告された時間になっても、
どちらのフェリーも爆発はしなかった。
両方のフェリーにのっているひとたち(囚人も)は、
自分たちだけが生きのびようとはしなかった。
人間のよわさにつけこもうとするジョーカーがやぶれた場面だ。
もうひとつ不思議だったのは、検事のハービー=デントが、
たとえ恋人がころされたにせよ、いかりにわれをわすれ、
凶悪な復習犯になってしまうところ。
ジョーカーが彼のこころをじょうずにあやつった、
というみかたもできるけど、
それにしても、マフィアを撲滅するためにつくしてきたデントが、
恋人をまもれなかったと市警のゴードンに罪をなすりつけ、
彼の家族をころそうとするのはひどい。
バッドマンは、デントの罪をぜんぶかぶり、
警察と市民からおわれる立場になる。
ひとのこころのよわい部分につけこむジョーカーのいやらしさが、
はじめからおわりまでわたしの感情をゆすりつづけた。
こうなったら、ほかのバッドマン作品もみるしかないな。