のはなしがおもしろかった。
糸井さんがつかっている体重計は、体重だけでなく、
BMIや体脂肪率、さらに「体年齢」までしめされるという。
ここに出てくる数字が、ずっと若いままなのだ。
ずっと実年齢から、16年を引いた年齢が出てくる。
ここに年相応の数字が出てきていたら、
まぁ、がっかりするとまでは言わないけれど、
あんまり元気になるとも思えないから、
「よっ、ずいぶんとお若いですな」みたいな数字で、
おだてられたほうが、まじめに体重計に乗る気にもなる。
糸井さん本人は、それなりの老化を自覚しているのに、
体重計はずっと「よいしょ」しつづけてくれ、
あろうことか、最近はさらに数字をへらすようになったらしい。
最近「よいしょする体重計」のやつ、
数字をもう1つ、減らすようになったよ、ほんとかよ。
もう! お祝いに、明日とんかつ食っちゃおうかなぁ。
事実だけをしめす体重計よりも、
そんなふうに、よいしょしてくれたほうが気分よくすごせる。
わたしの家にある体重計は、もうずいぶんふるいもので、
体重しかおしえてくれない。
わたしもよいしょしてくれる体重計がほしくなった。
体重計だけでなく、「よいしょする健康診断」はどうだろうか。
健康診断をうけるひとが、その結果をみるときに、
いくとおりかの計算方法からえらべたほうがいいのでは。
いまのやり方では、ほんの1ポイントでも
数値が基準をうまわわると(そもそもそれがあやしい)、
異常値としてチェックされてしまう。
チェックがはいると、どうしても気にしてしまうので、
基準を3割オーバーしていても、まあそれぐらいなら、
とみのがしてくれる検査のほうがわたしにはむいている。
基準値は国によってさまざまだというから、
あまりおもくうけとめず、できれば右から左へとききながしたい。
じっさい、お医者さんにいって血圧をはかられたときなど、
かなりたかめの数値ても、「この機械はたかめにでますから」と
ぜんぜん気にされず、スルーしてくれたり、
べつのお医者さんは、さっきはおしゃべりしたから、
下の血圧がたかかったのでしょう、と問題にされなかった。
血圧をはかりながらも、お医者さんだって、
血圧がすこしぐらいたかいときがあっても、
たいしたことでないのをよくわかっているみたいだ。
血圧だけでなく、健康診断でしめされるほかの数値も
もっとおおまかにみればいいのでは。
すこしまえの朝日新聞に、
「『不健康でもいい』と唱える医師」として、
大脇幸志郎さんが紹介されていた。
「生活をつまらなくしてまで、健康第一の生き方でいいのでしょうか。
人はだれしも、健康より大事なものを持っています」
「健康は大事だけど、常に一番ではないかもしれない」
健康は信仰のようなもので、
どのようにしんじるかは ひとによってさまざまでよい。
お医者さんである大脇さんが「不健康でもいい」といってくれると
とても気がらくになる。