コーヒーがすきだけど 胃のよわいわたしは、
たびたび胃のいたみになやまされてきた。
コーヒーをやめると、胃のいたみもおさまる。
でも、コーヒーがのみたいので、またのみはじめると、
しばらくして胃のいたみがもどってくる、をくりかえしてきた。
そして、2年半ほどまえに、ひどいいたみを経験し、
さすがにそれで わたしはこりた。
もうコーヒーをのむのはあきらめ、いっさい手をださなくなった。
夕ごはんのときだけにする、など、
つきあい方をかんがえればよさそうなのに、
たぶんいたみがひどかったため、
コーヒーはやめようと、かたく決心したのだろう。
それからの2年半に、タイへ2どでかけている。
旅行では、間をもたせるために、
コーヒーがのみたいところだけど、
なんとか我慢したままのりきる。
タイにはお茶をのめる場所がすくなく、
コーヒーがのめないとすこしつらい。
そのほかにも、なんどかコーヒーがのみたくなる
(たとえば焼肉のあとなど)危機的な場面があったけど、
せっかくこれまで我慢してきたのだからと、
あまり苦労せずにコーヒーをとおざけてきた。
それが 最近になり、身のまわりで
コーヒーにせっする機会がふえてきた。
職場に小型のコーヒー焙煎機がはいり、
コーヒー豆を販売するため、いいかおりがつねにただよっている。
わたしがはたらくクッキー工房でも、
お客さんへのサービスとしてコーヒーをだすようになった。
いまのところ これはわたしが担当しており、
毎日5杯分の粉をコーヒーメーカーにセットしている。
どんな味かわからずにお客にだすのは 無責任な気がする。
『「健康」から生活をまもる』(大脇幸志郎)の影響もある。
コーヒーのかわりに紅茶をのんでいるけど、
あくまでもコーヒーのかわりでしかなく、
くちさみしいから、なにかをのみたいだけで、
このんで紅茶をのむわけではない。
健康のためにコーヒーをあきらめるのではなく、
生活をだいじにしたいのなら、コーヒーをのんでもいいのでは、
むしろ、コーヒーをのんだほうがいいのでは、という気になってきた。
ノンカフェインのコーヒーなら、胃をいためないかも。
カフェインがはいってないコーヒーが
おいしいかどうかわからないけど、
わたしにできることは、ノンカフェインをえらぶことくらいだ。
そしてとうとう、UCCのカフェインレスコーヒーをかってしまった。
8杯分のドリップコーヒーが、税こみで400円。1杯50円だ。
きのうの夕ごはんのあと、おそるおそるコーヒーをいれる。
カフェインレスコーヒーは、デカフェともいうらしい。
ごくふつうにおいしいコーヒーで、
調子にのって、今夜はつづけて2杯のんだ。
のんでみると、2年半の空白などなかったように、
あたりまえにコーヒーの味がする。
ひさしぶりなので、さぞ劇的にからだがよろこぶかとおもったら、
まるで2年半まえと直結したように、いつものコーヒーとしてのめる。
禁酒をしていたひとが、数年ぶりにお酒を再開したときも、
きっと こんなかんじなのではないか。
さいわい、いまのところ胃はいたくない。
わたしのコーヒーとのつきあいは、これで復活するだろうか。
しばらくは、夕ごはんのあとだけに限定してのんでいきたい。