2021年03月04日

クッキー工房で「永遠の初心者」なわたし

「チャリダー 」(NHK-BS)のレギュラーである朝比奈彩さんは、
「永遠の初心者」とよばれ、何年たっても自転車のうでがあがらない。
「永遠の初心者」は、初心をわすれない、
という意味においてはいいこころがけだけど、
技術のほうが永遠にあがらないのであれば問題となる。
朝比奈さんは、いつまでたっても坂がにがてだし、
はしる距離がながくなっても すぐにへこたれる。
「永遠の初心者」たるゆえんだ。

わたしはクッキー工房に5年いるけど、
いまだにひとりで生地をつくれず、
オーブンでクッキーをやくのは最近ならったものの、
さいごのしあげとして、
粉糖や抹茶パウダーをまぶしたりができない。
朝比奈さんをおもいだし、「永遠の初心者」です、といって
あたらしくクッキー工房にくわわった職員に自己紹介したとき、
ほんとうに「永遠の初心者」の名がぴったりだとおもった。
やる気があれば、生地のつくりかたや、
さいごのしあげ方なんて、すぐにおぼえられるだろうに、
5年もいながら ズルズルとなにもできないまま すごしてきた。

もうひとつべつのいいかたもあって、
それが「クッキー班のショムニ」だ。
かいものや銀行での入金など、
雑用をこなすのがわたしのおもな役割となっており、
いちばん得意な仕事はシールをカッターできること。
すこし説明すると、クッキー工房でつかっているのは、
あらかじめ一枚いちまいはがれるシールではなく、
A4サイズのシートを印刷したあと、
カッターナイフできれめをいれてつかっている。
カッターナイフのきれ味によって ちから加減が必要で、
そしてナイフはつかううちに、どうしてもきれ味がおちる。
刃をかえるみきわめはかなりむつかしく、
「芸」といえないこともない。
とはいえ、クッキーと直接関係のない仕事にはかわりなく、
クッキー工房でのわたしのポジションは、
いなくてもたいしてかわりない、にかなりちかい。

毎年この時期になると、4月からの配置がちらほら話題になる。
わたしがつとめる事業所は、規模がちいさいので、
さほどおおきな移動があるわけではないけど、
それでもいくらかの変化がおき、さざなみがたつ。
わたしは、4月からもおなじ仕事がわりあてられそうだ。
あたらしくはいる利用者がいて、クッキー工房の環境は
すこしずつかわっていく。
率先してわたしが生地をつくれるようになれば、
クッキー工房のレベルはあがるだろうけど、
あまりわたしに それはもとめられていないような気がする。
気のつかいすぎだろうか、つかわなすぎだろうか。
「ほぼ日」に糸井さんがかいていた、
「たのしくても仕事はできる」
の精神がわたしはすきだ。
4月からも、たのしんで仕事にとりくみたい。
永遠の初心者として。

posted by カルピス at 21:24 | Comment(0) | 介護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする