Jリーグタイム(NHK-BS)では、試合前と試合後の2回、
ベガルタの手蔵森監督にインタビューをおこなっている。
今回の記事は、ふたつのインタビューを中心に、
手蔵森監督の覚悟を紹介したい。
フロンターレとベガルタといえば、
10年まえ、東日本大地震による中断のあと
再開したときの試合がかたりつがれている。
希望の光となるよう、死力をつくしたベガルタが、
1−2と、アウエーで劇的な逆転勝利をおさめている。
フロンターレのサポーターは、ベガルタのフラッグをかかげ
あいてチームに声援をおくりつづけていた。
8年ぶりにベガルタにもどってきた手蔵森監督は、
10年まえの再開試合について、
被災地からあれだけ等々力にかけつけてくれたサポーターに胸をうたれ、これはやらなきゃいけねえぞって おもわされたのは今でもおぼえている。
これからも数多く目のまえにたちはだかる苦難や試練を すべてのりこえていけるんだという、勇気と自信をかちとれたゲームになった。もういちどあのころをおもいだして たたかってみせろといわれているような今シーズン。
王者川崎をたおしてみせたときに、夢ひろがる未来がまっているんじゃないかという一戦、ホームでつよいベガルタをサポーターにみせたい。
とはなしている。
ベガルタは、昨シーズンホームで1勝もできていない。
サポーターに勝利をとどけたいという気もちは
監督・選手ともにつよいだろう。
試合は、1−5でフロンターレのつよさが圧倒的だった。
前半で4点をリードされ、試合のながれはきまっていた。
そんななかで、後半にかえした1点は、なんとしても点をとろうと
あきらめずにせめつづけた選手たちの気もちがあらわれていた。
試合後のインタビューで、
今日の試合でなにを発信できたか、とたずねられた手蔵森監督は、
王者川崎に前半うちのめされた。うたれづよいチームをしめさなければならない、というはなしをして後半に選手をおくりだした。本当にだれもプレーをやめることなく、最後までうたれてもうたれても、川崎のゴールにむかっていく姿勢、苦しい状況からでもたちむかっていく姿を、すこしでもくんでもらえたらとおもう。
とはなしている。
ただ、大敗であることは事実で、
この結果を手蔵森監督はおもくうけとめなければならないだろう。
うたれづよいからといって、うちのめされっぱなしではいけないので、きょのまけをしっかりこころでうけとめて、こんなまけはにどとないようにやっていくだけ。
9005人のサポーターがはいり、あとおししてくれた。復興と銘打った特別な試合で、その思いをよせてくれたサポーターとともに
たたかえたことにたいしては本当に感謝している。
仙台にこれないフロンターレのサポーターのために、ベガルタのサポーターがフロンターレのフラッグをあげていた。特別なゲームにしてもらい、復興にたいしてこのゲームが きっかけになるようにしなければならない。
フロンターレのつよさをあらためてかんじながらも、
つぎにつなげる試合としなければ、と
手蔵森監督はなんども口にしている。
2節というはやい段階にフロンターレとたたかい、
現実をつきつけられたのは、
ベガルタにとってよかったのかもしれない。
1−5でまけた以上、なんとかするしかない。
手蔵森監督と、ベガルタの選手たちの覚悟に注目したい。