東日本大地震から10年ということで、
テレビとラジオのどの番組でも
この10年をふりかえっている。
ほんとに、あれから10年たったなんて。
震災直後は、日本全体がわさわさしていて、
どうにもおちつかない日々をすごした。
おおきな被害にあった被災地のひとたちに、
自分ができることはなんだろうと、
あまりにも微力な自分をはがゆくおもった。
時間がすぎるとともに、だんだんと震災をわすれがちになり、
いまではときどき被災地の缶詰をかうくらいしかしてない。
きょうきいたなかでこころにひびいたのは、
「ゆうがたパラダイス」で青山テルマさんがいっていた、
「生きているよろこびを大切にしてほしい」
「自分とまわりを 大事にしてくれたらうれしい」ということばだ。
一日いちにちが、かけがいのない日なのだから、
なにかおおきなことを達成しなくても、
とくにがんばったわけでなくても、
ささやかなあれやこれやを しあわせにかんじて生きたい。
「自分とまわりを大切に」も、
まずは身のまわりから大切にしていこうという
できることから手をつけるかんがえ方がすきだ。
いまの時代のパワーワードはプレミアム、
というのをよんだことがある。
過去には、文化だったりデラックスだったりが
その時代のパワーワードだったけど、
いまはプレミアムをたしかによく耳にする。
ながいスパンでとらえると、プレミアムもわるくないけど、
もうすこしみじかい時間にかぎると、
新型コロナウイルスがはやってからは、
「妄想」もいいところにつけているのではないか。
これまでできていた、あれやこれやができなくなり、
しかも、いまだにおわりがみえないからか、
新型コロナウイルスがおちついたら、
こんなことやあんなことがしたいという想像を
おおくのひとがはたらかせている。
そして、想像がはげしくなると、だんだんと現実味をうしない、
妄想としかいえない領域にはいってくる。
青山テルマさんは妄想の達人で、
番組のなかで夢のコンサートを妄想したり、
だれかといい雰囲気になって・・・とありえない状況を妄想し、
自分でテレながら、きいていてはずかしくなるようなセリフできめる。
ほかの番組をきいていても、ちらほら妄想を耳にするようになった。
新型コロナウイルスという時代が、妄想を必要としている。
妄想はたらかせるくらいしか、自由にあそべないから。