子ネコのプリンが去勢手術をすませる。
先月からスプレー行為がはじまり、はやく去勢手術をしたかったけど、
どの病院も予約まちで、いちばんはやくしてくれるところでも
1ヶ月またなければならなかった。
そのあいだ、なんども服やふとん、台所のテーブルにスプレーされ、
きょうがくるのを ほんとうに指おりかぞえてまった。
去勢手術をしたからといって、スプレーが
確実にとまる保証はないけど、ほかに有効な手はないし。
しりあいが、フェリウェイという薬をわけてくれた。
ネコのフェロモンだそうで、ネコがスプレーしたところに
フェリウェイをかけたり、ネコに直接かけたりしてつかう。
フェロモンのはたらきで、ネコがおちつきをとりもどすらしい。
プリンは、フェリウェイをかけられると、
パッととびさって、からだをしきりになめる。
目にみえておちつくわけではないけど、
スプレーの被害がそれほどではなかったのは、
フェリウェイのおかげかもしれない。
きょうは朝の9時にプリンを病院へつれてゆき、
夕方の6時にひきとりにでかける。
この病院は、いままでのところより説明がていねいで、
ひきとりにいくと、まず血液検査の結果をはなされた。
人間の健康診断とおなじように、
白血球・肝機能・血糖値などを、標準値とくらべながら説明される。
どの値も正常で、もうしぶんのない結果だといわれる。
レントゲンもうつされており、こちらも異常なかった。
血液検査もレントゲンも、こちらがたのんだわけではない。
信頼したくなる、ありがたい仕事のすすめ方だ。
わたしのことを「お父さん」とよんで
はなしをすすめられるのも、なんだかうれしかった。
そうか、おれはプリンのお父さんか、と おもわずエリをただす。
プリンは、生後9ヶ月になるのに、
体重が3.7キロしかなく、ちいさなからだなのが気になっていた。
先生に体重のことをたずねると、たしかに小柄だけど、
ちいさすぎるわけではないから、
気にしなくても大丈夫です、といわれる。
レントゲンには背骨に成長線がうつっていたので、
まだもうすこしはおおきくなるかもしれない、ともいわれる。
抜糸をしなくてもいい糸をつかったそうで、
手術がおわったら、もう病院にいかなくてもいい。
病院によっては、傷口がおさまるまで、
首のまわりにカラーをつけるよう いわれるけど、
そんなはめんどくさいなしはでない。
この病院は、うるさいことをぜんぜんいわないのですごくらくだ。
あすから5日間、朝・夕に化膿どめの薬をのませるだけでいい。
手術にかかった費用はぜんぶで2万4200円だった。
プリンは家にもどると、安心したようにちいさな声でないた。
しばらく自分のからだとお気にいりの場所をチェックし、
ストーブのまえでまるくなる。
いつもなら、夜中の3時か4時にわたしをおこしにきて
食事をねだる先輩ネコのココが、
ゆうべはわたしの足もとで朝までずっとねむっていた。
ネコたちは、プリンの手術について、なにかをかんじていたようだ。
無事に手術がおわり、プリンはげんきごはんをたべはじめ、
これでようやく気にかかっていた課題がかたづいた。
わたしのふとんは、プリンのスプレーにより
かなりのにおいがしみついてるけど、
プリンがげんきでいてくれるなら、すこしくらいは我慢しよう。
プリンがかえってきて、ココも安心したようすだ。