「チャリダー」(NHK-BS)で、
坂バカ俳優の猪野さんが、プロのロードレースチーム
「宇都宮プリッツェン」の入団試験をうけていた。
・平坦なコース3キロ
・激坂1キロ
・面接
という試験内容で、基準となるタイムもしめされている。
このテストに、戸丸さんというかたが ママチャリで参加されていた。
これまでも、どんなレースにもママチャリで参加されており、
まえの番組でとりあげたレースでは、猪野さんよりはやかった。
面接で、なぜ入団を希望するかたずねられると、
ロードレーサーをかえないひとでも、
ママチャリなら手にいれやすいので、
自転車の魅力をママチャリでつたえたいという。
ほかのひとたちは、もちろんロードレーサーにのっており、
あきらかにはじめからハンディを背おっても、
戸丸さんは ママチャリにのることをだいじにしている。
戸丸さんのママチャリは21キロもあり、
猪野さんのバイクより3倍もおもいのに、
笑顔でトライしつづける姿につよくひかれた。
猪野さんの提案で、ためしに戸丸さんが
ロードレーサーをかりて のってみると、
タイムはママチャリのときより20秒もはやくなる。
もし戸丸さんが、本気でロードレーサーにのれば、
それなりのタイムをだせるだろうに、
「彼女」とよぶママチャリをかえようとはしない。
戸丸さんは、家から宇都宮までの80キロを、
そのママチャリにのってきたそうで、
前のカゴには寝袋がつっこんであった。
入団試験のあとも、またママチャリをこいで家にかえる。
残念ながら、チームの方向性と、戸丸さんの希望とがあわないので、
試験には合格しなかったけど、あくまでもママチャリにこだわり、
笑顔でトライしつづける姿が印象的だった。
プロのチームには はいれなくても、
きっとなにかすてきな夢を実現されそうだ。
わたしは島根県の松江市から益田市への150キロを
ママチャリではしったことがある。
通学用につかうようなまともなママチャリではなく、
24インチのタイヤで、いわゆる ほんとうのママチャリだ。
ふつうにこげば、時速15キロくらいですすむだろう、
そのスピードを10時間つづければいい。
ときどきとる休憩時間を2時間みて、
朝の6時に家を出発すれば、夕方の6時に到着する、と
益田にすむ友人につたえたら、
ほんとうにぴったし6時にまちあわせの店についた。
ママチャリでの移動だから、予定の到着時間は
たいしてあてにならないだろうと、気ながにまっていた友人は、
ちょうど6時についたわたしにおどろいていた。
ついたわたしもおどろいた。まだわかかったのだ。
松江から益田へは、ずっと国道9号線にそってはしるのだけど、
道路は自転車のことを ほとんどかんがえずにつくってあり、
歩道をはしっていると、きゅうに歩道が反対側にうつったり、
そもそも歩道がなかったり、おおきな段差があったりと、
気まぐれでめちゃくちゃな道路づくりに腹がたった。
かといって、車道をはしれば、車からの圧力がすごい。
交通事故をふせぐためにも、安全に自転車をたのしむためにも、
日本の道路つくりは、もっとママチャリライダーへの愛が必要だ。