職場に小型の焙煎機がはいり、
自家焙煎のコーヒー豆をあつかうようになった。
まえは、おおきな機械しかなくて、
ちいさな喫茶店や、個人には手がでなかったけど、
いまでは20万円ほどでりっぱな焙煎機がかえる。
その影響なのだろう、このごろは町でよく
自家焙煎の喫茶店をみかけるようになった。
職場で参考にしているのが
『ホーム・コーヒー・ロースティング
(お家ではじめる自家焙煎珈琲)』
(嶋中労・旦部幸博/集英社インターナショナル)という本で、
日本における焙煎の歴史がくわしくかかれている。
この本によると、焙煎は、
なにも立派な機械がなければできないわけではなく、
フライパンや金網のザルでもおいしい豆にしあげられるようだ。
少量をあつかう場合には、機械のかわり、というよりも、
むしろフライパンやザルのほうが焙煎の王道かも、
ととらえることもできそうだ。
1キロ2000円ほどの豆(エチオピア産)をネットでえらび、
じっさいに家で焙煎してみる。
送料や振込手数料などで、200グラム800円ほどの単価になる。
あつでの鍋をつかい、火かげんはつよ火と中火のまんなかくらい。
しゃもじでかきまぜながらいっていると、
20分ほどで豆がはじける音がしてくる。これを1ハゼというらしく、
そのあといりつづけるうちに、2どめのはぜる音がしだす。
これが2ハゼで、いつまでもはじける音がつづくので、
ついそのままいっていたら、豆がまっ黒になってしまった。
あきらかにいりすぎで、のめないほどではないけど、
かなりの「ふかいり」になってしまった。
でもまあ、そうした失敗をしても、
自分で豆をいるのはたしかにたのしい。
これでコツがわかったので、つぎからはまともな焙煎ができるだろう。
これまでは抽出こそコーヒーの肝だとおもっていたけど、
『ホーム・コーヒー・ロースティング 』によると、
コーヒーのおいしさは、ほとんど焙煎できまるそうだ。