1月になくなった目黒考二さんの追悼号。
みじかい準備期間にもかかわらず、充実した内容がありがたい。
いつもよりすこし値段がたかいけど、それだけにぶあつくて、
よみごたえじゅうぶんにしあがっている。
読者からのおたよりでかたられているとおり、
わたしもまた目黒さんの書評をたよりにしてきたし、
おおくのおもしろ本をおしえてもらった。
なによりも、この『本の雑誌』がなければ、
わたしの生活はどれだけまずしいものとなっていたかをおもうと、
目黒さんはまちがいなくわたしの恩人だ。
追悼号には、目黒さんがさいごにかかれた
「笹塚日記」(2007年1月)ものっている。
目黒さんが笹塚の「本の雑誌社」4階から、
自宅のある町田へひっこす時期にかかれたもので、
本の雑誌社からはなれるさみしさがつづられており、
今回の追悼号にぴったりの「おわかれ」になっている。
目黒さんが本にかたむけてきたエネルギーにふれ、
きゅうに本屋さんへいきたくなった。
2023年の本屋大賞に、凪良ゆうさんの
『汝、星のごとく』がえらばれたところだし、
村上春樹さんの新作がだされたところだけど、
ここはあえてはずし、津村記久子さんの
『水車小屋のネネ』をえらぶ。