『成瀬は信じた道をいく』
宮島未奈・新潮社
成瀬あかりがかえってきた。
一冊目の『成瀬は天下を取りにいく』(新潮文庫)をよみ、
すっかりわたしは成瀬ファンになった。
http://parupisupipi.seesaa.net/article/502730811.html
「WEB本の雑誌」に「成瀬」の作者、
宮島未奈さんへのインタビューがのっている。
https://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi261_miyajima/
成瀬がかかれた背景がよくわかるけど、
成瀬の存在があまりにもリアリティがあったので、
わたしはほんとうに成瀬がいるような気がしていた。
このインタビューをよむと、あたりまえなこと、
つまり、宮島さんが成瀬をかいたんのであり、
成瀬あかりは実在しないという事実をつきつけられ、
かえってがっかりした。
2冊目の「成信」(「なるしん」と宮島さんがいっていた)も、
1冊目とおなじようにじゅうぶんおもしろい。
表紙をかざる ざしきわらし氏の絵が、
おとなへ成長しつつある成瀬あかりをよくあらわしている。
1冊目の絵だって、いかにも成瀬らしいけど、
狂信的にみえる目のちからがすこしおっかない。
『成瀬は天下を取りにいく』は、
本屋大賞にもノミネートされた。
成瀬の魅力にまいったひとはおおいだろうから、
大賞を受賞する可能性はじゅうぶんにある。