2011年10月13日

『探偵はバーにいる』

『探偵はバーにいる』(東直己・ハヤカワ文庫)をよむ。
高野秀行さんがブログでほめていた本だ。
「チャンドラーの正当的な後継者がこんなところにいたのか」と
すごいほめようだ。
「『チャンドラーの正統な後継者』と思っていたが、
読み進めるうちに
『フロスト警部のほうにむしろ近いかも』と思い始めた」
ともある。

「フロスト警部」シリーズはまだよんだことがないけど、
ススキノ探偵は
カーター=ブラウンの雰囲気にちかいとわたしはおもった。
チャンドラーほどハードボイルドしていない、
いわゆる「軽ハードボイルド」というわけだ。
カーター=ブラウンにはいくつかのシリーズがあって、
わたしがすきなのはアル=ウィーラー警部ものだ。
正義感なんてぜんぜんなくて、女がだいすき。
軽口をたたいてばかりのいいかげんな警部だ。
酒をたのむときはいつも
「ソーダをちょっぴりいれたスコッチのオンザロック」
がおきまりだ。

『探偵はバーにいる』の「俺」も
いつもウィスキーをのんでいる。
12オンスのタンブラーに8分目、
とか、指4本分とかを
水わりでもオンザロックでもなく、
チェイサーもないストレート。
すきなのはジャック=ダニエルズとスーパーニッカみたいだ。
サンドイッチをたべるときもウィスキーのダブルを注文するので
彼のからだが心配になってくる。

1オンスは約30ccなので、
12オンスのタンブラーに8分目というと300ccほどになる。
ほかの店でのウィスキーとあわせると、
1日に2本ぐらいのんでいるみたいだ。
こんなことをつづけてるとどうなるかというと・・・
どうなるんだろう。

このススキノ探偵はシリーズが12作までつづいている。
10作目で「俺」は52歳になっているそうだから、
こんなにめちゃくちゃにウィスキーをのんでも
なんとか生きのびて中年になれたようだ。
52歳の「俺」が
どんなふうにハードボイルドをつづけているかしりたい。

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posted by カルピス at 20:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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