昭和10年前後の日本人が、
なにを、どうやって、どれくらいたべていたかをしらべ、
また、自分でもじっさいに料理して、
わかったことが紹介してある。
当時の食料自給率は80%以上あり、
野菜はだいたいいまたべているものが
この当時にはすでにでまわっている。
セロリやオクラもあるし、
セージなどのハーブも料理の本に登場している。
肉や魚はいろいろな種類のものをたべているが、
ひとりあたりの量はすくなく、
レシピでは20〜40グラムとなっている。
また、冷蔵庫はすでに利用されてはいたが、
氷をいれてひやすやり方なので、
15℃ぐらいまでしか温度がさがらない。
ものをくさらせない、
といういまのようなつかい方はできなかった、
というのが当時の概況だ。
ではどうやって保存したかというと、
野菜でも魚でも、干物にすることと、
佃煮などは塩分をきかせてくさりにくくしている。
そういうと、「高血圧になりやすいのでは」
とおもわれやすいけど、
じっさいにレシピどおりにつくってたべてみると、
からくてとてもたくさんはたべられないので、
その心配はない(と魚柄さんはかいている)。
いまの食生活は、冷蔵庫にたよりきっているので、
くさらすまで冷蔵庫にいれる、という
へんなつかい方になっている。
冷蔵庫が日本人の食生活をこわしたのではないか、
というのが魚柄さんの仮説だ。
それまではいろいろな工夫があったのに、
いまはあまった食品を冷凍するだけだ。
自分の家の冷蔵庫についてかんがえる。
とくに冷凍保存がおおいわけではないが、
冷蔵庫にはいったきりくさらせてしまう食品
(缶づめやジャムなどがおおい)がなくならない。
野菜も、つかわないまましなびてしまうことがよくある。
魚や野菜をほすことはすぐにでもできそうだ。
エコや食の安全だけでなく、
楽だから、おいしくなるから、という接近のしかたで
ためしてみたい。
ほし野菜なんて、いまではすごくおしゃれにきこえる。
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