2011年11月01日

『食べかた上手だった日本人』(魚柄仁之助・岩波書店)

『食べかた上手だった日本人』(魚柄仁之助・岩波書店)をよむ。
昭和10年前後の日本人が、
なにを、どうやって、どれくらいたべていたかをしらべ、
また、自分でもじっさいに料理して、
わかったことが紹介してある。

当時の食料自給率は80%以上あり、
野菜はだいたいいまたべているものが
この当時にはすでにでまわっている。
セロリやオクラもあるし、
セージなどのハーブも料理の本に登場している。
肉や魚はいろいろな種類のものをたべているが、
ひとりあたりの量はすくなく、
レシピでは20〜40グラムとなっている。
また、冷蔵庫はすでに利用されてはいたが、
氷をいれてひやすやり方なので、
15℃ぐらいまでしか温度がさがらない。
ものをくさらせない、
といういまのようなつかい方はできなかった、
というのが当時の概況だ。

ではどうやって保存したかというと、
野菜でも魚でも、干物にすることと、
佃煮などは塩分をきかせてくさりにくくしている。
そういうと、「高血圧になりやすいのでは」
とおもわれやすいけど、
じっさいにレシピどおりにつくってたべてみると、
からくてとてもたくさんはたべられないので、
その心配はない(と魚柄さんはかいている)。

いまの食生活は、冷蔵庫にたよりきっているので、
くさらすまで冷蔵庫にいれる、という
へんなつかい方になっている。
冷蔵庫が日本人の食生活をこわしたのではないか、
というのが魚柄さんの仮説だ。
それまではいろいろな工夫があったのに、
いまはあまった食品を冷凍するだけだ。

自分の家の冷蔵庫についてかんがえる。
とくに冷凍保存がおおいわけではないが、
冷蔵庫にはいったきりくさらせてしまう食品
(缶づめやジャムなどがおおい)がなくならない。
野菜も、つかわないまましなびてしまうことがよくある。
魚や野菜をほすことはすぐにでもできそうだ。
エコや食の安全だけでなく、
楽だから、おいしくなるから、という接近のしかたで
ためしてみたい。
ほし野菜なんて、いまではすごくおしゃれにきこえる。

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posted by カルピス at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 食事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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