水もれするようになり、
それが我慢できないぐらいひどくなっていた。
雨がふると、ぞうきんで何回もしぼりとるほど
シートに水がたまる。
水がたまるとどうなるかというと、
窓ガラスがいつもくもっていて、
ビショビショの状態で運転することになる。
ドアについているカバーをかえると
片側だけで5万円以上かかるといわれる。
そんなにお金をかけたくないので、
なんとか応急処置ですませてもらった。
それでもちゃんと水がもれなくなっている。
窓がくもらないということが、
こんなに快適なことかがよくわかった。
きれいな窓だと運転しているだけでたのしい。
このポロは、ポロ3代目の型で、1996年製だ。
中古でかい、のりはじめてから9年になる。
ちゃらちゃらしたところがまったくなく、
おちつきと上品さをかんじさせる。
ちいさな車体なのに1600ccの排気量で、
車重が1325kgもあってとてもおもい。
市内ではリッターあたり8キロもはしらない。
徳大寺有恒さんが『間違いだらけのクルマ選び』のなかで
「おもすぎてはしらない」とけちょんけちょんにけなしていた。
そもそも水もれがするなんて、
国産車ではまずかんがえられないし、
電気系統がよわく、へってないのにオイルランプがついたりする。
スピードメーターがぐるぐるまわりだしたときもあったし、
いまはロックがこわれていて、
助手席側から鍵をしないといけない。
きゅうにステレオの電源がきれることがあるし、
内装の布がよわっていて、
ベローンとところどころたれはじめた。
うしろの座席は足もとがすごくせまく、
軽自動車よりも窮屈にできている。
でもいいのだ。
9年ものっていると、愛着がわいてきて、
ほかの車にのりたいなんておもわないようになった。
代車につかわせてもらったヴィッツは
かるくてこまわりがきいてよくはしったけど、
のっていてたのしくはない。
小型車なのに、軽自動車の駐車スペースにじゅうぶんもぐりこめる。
クラクションをならすと、
国産車のかんだかい騒音ではなく、
「ボァボァ」とふるい田舎のバスみたいな
牧歌的な音をきかせてくれる。
おもたくて燃費がわるくて電気によわくても、
もうしばらくはこの車とすごしたい。
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