女性による旅行記はにがてなので
(たいしたことをしたわけでもないのに
大冒険をきどるひとがおおい)すこしまよったけど、
著者のプロフィールに「島根生まれ」とあったのでかうことにした。
出雲そだちということもあってか、
ほんとうにお茶がすきなひとだ。
お茶であるなら、紅茶・緑茶・中国茶をとわず、
とにかくどんなものにでも興味をしめすし、
その、のみかたまでが伊藤さんの関心をかきたてる。
『オール・アバウト・ティー』というお茶について権威のある本に
「ブハラの人は、茶葉を小さな袋に入れてもち歩く。
喉が渇いたら、無数になる茶店のなか、
最も近いところを探して、お茶をいれてもらう」
とかかれているのをよむと、
ウズベキスタンをたずねないわけにいかないし、
ひるごはんが「正餐」であったころのハイティーにこだわり、
正統なハイティーをもとめてスコットランドをおとずれたりしている。
どのお茶についてもすごくおいしそうにかいてあるので、
この本をよんでいると、まともな紅茶をのみたくなってくる。
ネットで伊藤さんについてしらべたら、
松江にあるお店でだされた本格的なクリームティー
(紅茶とスコーンのセットで、クロテッドクリームと
ジャムが添えられる※ウィキペディア)
のことをほめておられた。
近所だし、まえにもいちどいったことのある店だ。
ひとりでお店にはいるのはすこし抵抗があったけど、
伊藤さんも旅さきではひとりのこともおおかったにちがいない。
文庫本を用意して、ひとりで席につく。
クリームティーを注文すると、
おおぶりのティーポットに牛乳(つめたいもの)、
それにウィキペディアにあるとおり、
クリームとジャムがスコーンにそえられている。
おいしかったし、997円という値段も、
イギリスにいくことをおもえばたかくはない(といいきかす)。
5月はお茶にご縁がある時期のようで、
きょうはしりあいにさそわれて
お茶つみの手つだいをさせてもらった。
機械による新茶のかりとりで、
わたしの役割は、お茶の葉が袋にたまってくると、
それを運搬用の車まではこぶ、というものだ。
おおきくて白い袋をかついでいると、
どうしてもサンタクロースをおもいうかべる。
じっさいに自分がそうやって袋を背おってみると、
サンタさんがいかにちからもちなのかわかる。
おもたい袋を背にすると、
どうしても下をみながらトボトボあるく
しょぼい風景になりがちだ。
子どもたちのまつ家にむけて胸をはり、
機嫌よくあるきまわるのは、そうかんたんなことではない。
サンタさんになりたいひとは、熱意だけにたよるのでなく、
お茶つみが絶好の練習になることをしっておくべきである。
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