内容は構造化について。
スケジュールをいれることは、
ルールをまもるはじまり、というはなしに納得する。
ルールをまもればたのしい活動がまっている、
という体験をもつことで、
そのひとの生活はひろがりをもつし、
それを手がかりに、つぎの段階へとすすむことができる。
スケジュールにそってうごく自閉症のひとをみて、
「ロボットみたい」「かわいそう」という
とらえかたをするひとがいる。
スケジュールをいれるのは、
だれにとってもスケジュールがあったほうがうごきやすいからだ。
メガネの度がひとによってちがうように、
スケジュールのかたちもまちまちで、
「そのひとにあった」スケジュールが、
自閉症のひとにとっては写真やカードをつかったものになる(ことがおおい)。
かえりぎわに
『100%あらたくん』(茂木和美・朝日新聞厚生文化事業団)
という本を竹内先生からおかりする。
自分の子はどこかほかの子とちがう、
とかんじたときの親の不安な気もち。
自閉症の子をそだてるときに親がなにをおもうか。
成長とともに体験するいろいろなできごとが
「大変な事も沢山あるけど
嬉しい事もてんこ盛り」
という視点であかるくかかれている。
自閉症の特性である「こだわり」にとまどいながらも
だんだんとつきあい方になれ、
たいへんなできごとも、
たのしいエピソードとして紹介される。
当事者のあらたくんやお母さんにとっては
なきたくなるような状況も、
こうやってマンガにされるとわらえるはなしだ。
しかし、思春期をむかえた「あらたくん」とのあたらしいステージを
マンガそのままのほのぼの感で、
余裕をもってむかえておられるのかとおもっていたら
そうではなかった。
あらたくんは、中学部を卒業したあとの生活をイメージすることができず、
おちつきをうしなって行動障害をおこすようになる。
服薬を決意するものの、のみはじめた薬があわず
状況はさらに悪化する。
服薬調整の入院をしてようやくおちつきをとりもどすが、
退院した直後は表情がかたく、別人のようだったという。
しばらくして薬になれると、すこしずつ動作もなめらかになり、
笑顔が復活する。
「入院前
何が一番辛かったかというと・・・
笑顔が一切なくなってしまったこと・・・
日像の生活に戻りつつある今
その笑顔がまた戻ってきたようです
これからもあらた度100%
全開で笑って欲しいな」
と著者の茂木さんはむすんでいる。
だれがわるいわけでもなく、どんなに環境を調整しても
おもいもよらぬハードルがまっていることがある。
それでも親はあらたくんのかかえる困難さによりそい、
学校もすこしずつ高等部の教室にいけるよう支援している。
なかなかかんたんにはいかないなー、というのが率直な感想だ。
かんたんにはいかないけれど、
そうやってまえをむいてうごいていくしかない。
うまくいくことをしんじて
あらたくんやお母さんによりそうのがわたしの仕事だ。
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