2012年06月24日

FCバルセロナ(西部謙司)バルセロナのつよさの秘密

FCバルセロナ(西部謙司・ちくま新書)

バルセロナはなぜあんなにつよいのか。
西部さんはバルセロナのサッカーの特徴を
以下の点にまとめている。

・数的優位をつくるために、2人のフォワードが、
 4人の相手ディフェンダーをくぎづけにしている
・正確な技術
・前線からのはやいプレッシング
・たかいボールポゼッション

整理してしまうとたったこれだけなので、
それでは、なぜバルセロナだけがそれをできるなか、と
もうひとつ別の疑問もわいてくる。
世界じゅうがバルセロナのスタイルをめざしながらも
コピーはなかなか本家にかつことができない。
バルセロナのサッカーは、かつための方程式が
非常に論理的にくみたてられており
(ボールを70%支配できたら80%の試合にかつことができる等)、
まねできそうでできないのが、バルセロナのサッカーといえる。

タイトルがしめすとおり、
この本はバルセロナというチームについて、
その戦術・歴史・地域性など、
さまざまな点からみた特徴がまとめられている。

・カタルーニャ人のほこりであるバルセロナというチーム
・なぜバルセロナのパスはおもしろいようにつながるか
・バルセロナの歴史
・バルセロナの対抗勢力

と、この1冊をよめばバルセロナのサッカーが
だれにでも(わたしにでも)理解できるよう構成されている。
ゆるぎないつよさにみえるバルセロナに対抗するために、
対戦するチームはどういう戦略をとってきたか。
それに対し、バルセロナはどう対応したのか。
バルセロナのとる戦術は、基本的には統一されていながら、
どこにだれをつかうかで微妙な変化がうまれてくる。
相手のフォーメーションにあわせて柔軟にポジションをかえ、
自分たちのサッカーの長所がけされないように対応する。
そのせめぎあいが、西部さんの手によって
論理的に説明されているので、
わたしのようなサッカー初心者には
戦術を理解するうえでとてもわかりやすいテキストだった。

おかしかったのは、日本でも人気のある(あった)ロナウジーニョについて。
ロナウジーニョは2003年から2008年までバルセロナでプレーしている。
はじめはチームにフィットしたロナウジーニョも、
後年になると運動量がおち、
しだいにデメリットのほうがおおくなっていた。
ロナウジーニョはパリ時代から夜遊びで有名でしたが、バルセロナでも夜を徹して遊ぶ姿がよく目撃されていました。サッカー選手が遊んでいるというより、遊び人がサッカーをしている、と解釈したほうがいいのかもしれません。

西部さんは皮肉ってこうかいているのではない。
事実をありのままに表現すると
こういうかき方になってしまうのがいかにもロナウジーニョだ。

史上最強ともいわれるバルセロナを、
どのチームがくずすのに成功するのだろう。
日本のサッカーはどこまでバルセロナにちかづけるのか。
バルセロナのつよさの秘密を理解できたので、
もうしばらく、圧倒的につよいバルセロナのサッカーをたのしみたい。

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posted by カルピス at 23:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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