スーパーをゆっくりみてまわってこんだてをきめるという
悠長なことをしていられなくなった。
冷蔵庫にあるものを確認してから家をでて、
仕事のかえりに家にちかいけど値段のたかいスーパーによって
最小限のかいものをするのがせいいっぱいだ。
時間がないことでかえってひらきなおり、
どれだけ手ぎわよく料理ができるかを
たのしむようにしている。
今晩のメニューはヤキソバ・トムカーガイ・トマトリゾット。
いつもながらめちゃくちゃなくみあわせだ。
あつさのせいで、白いごはんがたべにくくなり、
このところいつもメンにお世話になっている。
メンにお米という炭水化物同士のくみあわせも、
いまや我が家では、ステーキにサラダがつく以上に
あたりまえのこととして出現している。
それに、トマトリゾットもはじめからこれを目ざしたわけではなく、
時間がないので圧力鍋→白いごはんではたべにくい→トマトをいれてごまかそう
→(できあがりをみて)これはトマトリゾットとよんでもいいかもしれない
みたいな結果オーライの料理だ。
2合のお米をといで圧力鍋にかける。
弁がまわってから3分で火をとめ、
そのあいだに2つのフライパンで
ヤキソバの具とメンをいためる。
トムカーガイはココナツミルクのスープで、
スパイスのセットがついており、
シメジと肉をくわえるだけなので簡単だ。
圧力鍋の弁がさがったらふたをあけ、
トマトのかんづめをまるごとうつし、
塩・コショーと大量のバター、それにしょうゆで味をととのえる。
プランターにそだっているバジルをくわえてかきまぜると、
なんとなくそれっぽい姿になった。
台所にたってから40分ほどでテーブルに料理がならぶ。
はたらいたあとにうまく料理がすすむと、
じょうずに時間をやりくりする
有能な主婦になったようで気もちがいい。
ほんとうは、いつもこんなにうまくいくわけではない。
あてにしていた野菜や調味料がなかったり、
すぐおわるとみこんでいた工程に手間どったりで、
イライラしながらつくるときの料理はとうぜんおいしくもない。
おそらくきょうのできがわたしのベストだろう。
週のこんだてをあらかじめかんがえたり、
それにそって計画的にかいものをするなんてマメなことが
わたしにできるわけがない。
なんの準備のないまま夕ごはんの時間を無防備にむかえ、
テキトーにスーパーをまわって
くるしまぎれのメニューににげるにきまっている。
きょうの成功が、へんにかんちがいして記憶され、
ますますギリギリをめざすおろかな調理人になる可能性がたかい。
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