先週の金曜日、番組予約をしようとテレビをつけたら
予約表にコナンがのっていた。
毎朝7時からサンテレビで放送することになっている。
この日の朝は、第1話のとちゅうからみることになった。
モンスリーたちがのったファルコが
のこされ島に着水するところだ。
この作品は1978年に放送されたものなので、
もう34年もまえのことになってしまった。
わたしがコナンをはじめてみたのは、
NHKが1年半後に再放送したときのものだ。
再放送なので、土日以外は毎日放送される。
毎日放送されなかったらオレはたえられただろうか、
と当時のわたしは自問したのをおぼえている。
それだけつぎの回をみるのがまちどおしく、
最終回の26話がおわったときはかなりのダメージをうけた。
なぜ自分がこんなにこのものがたりに熱中するのかわからずに、
監督の宮崎さんがアニメ雑誌やムックでかたったものをよみあさる。
宮崎さんはチャップリンの映画のよさを
すきなひとのためにつくすことで、
もっとまともな人間になろうとするところにある、とはなしている。
たとえば『モダンタイムス』は、
よく近代文明批判の作品みたいにいわれるが、
そうではなくて、チャップリンはあの女性のためにつくすことで
自分は生きるにあたいするんだ、とおもったのだと宮崎さんはいう。
わたしがコナンをみたあとで呆然としたのは、
コナンがラナを大切にするように、
自分もだれかにつくしたいとおもっていることに気づかされたからだ。
当時18歳だったわたしが、それからラナをみつけられたかというと、
ややこしいはなしになるので(ならないので)ここではふれない。
コナンは宮崎さんがはじめて監督をつとめた作品だ。
絵がうごくおもしろさでみせるという、
アニメの原点をもういちどおもいおこさせることになり、
この作品がおおくのアニメーターに
影響をあたえたことがよくしられている。
コナンたちがとにかくよくうごきまわるので、
絵にまけないよう声優さんたちもたいへんだったというし、
宮崎さんは登場人物になりきって絵コンテをきり、
さいごにはレプカでさえにくめなくなっていたのだそうだ。
ひとつの作品からこれだけ衝撃をうけたことはなく、
わたしにとってわすれられない事件となった。
中年になってしまったいま、
コナンをみたからといってどうなるものでもないが、
毎朝放送されるというとほおっておくわけにいかない。
連続ドラマ予約をいれ、これから毎晩1話ずつみていくことになる。
今回の再放送は、民放ということで
はじめとおわりの歌がカットされているし、まんなかのカタカタはないし、
オープニングのナレーションがはぶかれているけど、
これはまあしょうがないとおもうしかない。
なかみがカットされてないだけありがたい編集だ。
再放送をきめてくれたサンテレビに感謝する。
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