パンフによると、
「しまねe-あきんどは島根のネットショップオーナーで構成される
ネットショップサイト運営に関する勉強会グループ」
ということで、今回の講師には、
宮崎県にある手づくりくんせいの会社「スモーク・エース」の
穴井浩児さんがまねかれている。
穴井さんのおはなしは、ネットショップをつくるときにおさえること、
というよりも、もっと商売全体にかかわるものだった。
どうやってお客さんに「スモーク・エース」のよさをしってもらうかを
穴井さんはずっとかんがえておらえる。
自分たちが感動した「スモーク・エース」商品の味を、
お客さまに「おすそわけ」したい、という精神があり、
それは、お金をかせぎたい、ということだけでは
絶対にうまれないエネルギーとなって
穴井さんたちの仕事をささえている。
「たべてもらえばわかる」と自社の製品に
絶対の自信をもっておられことがなによりのつよみだ。
そして、お客となる対象を
「価格にこだわらない・流行にながされない」層にしぼり、
そのひとたちにむけてていねいに自社の情報を発信しておられる。
お客のおおくはリピーターとなり、
熱心な「スモーク・エース」ファンになってくれる。
もちろんはじめからうまくいっていったわけではなく、
人材教育のための社内勉強会をひらいて
製造・販売・受注処理にかかわる
職員の相互理解をふかめようとしても、
1年半はつめたい反応しかかえってかえってこなかったという。
それでも外部のひとたちから
「スモーク・エース」の職員がやっている仕事は
とてもすばらしいことだと評価されたことで
会社全体の意思統一がはからえるようになる。
穴井さんのおはなしをきいていると、
カリスマ性とか天才的なひらめきはないけれど、
とにかく誠実に仕事とむかいつづけることで
結果をうみだしていることをかんじる。
そうした姿勢がお客さんに理解され、
「スモーク・エース」商品への関心がたかまり、と
どんどんいいサイクルができていく。
「スモーク・エース」がちからをいれているのが
アナログなダイレクトメールという手法だ。
テンプレートを用意するなど、
継続できるしくみをつくってうえで、
「スモーク・エース」ならではの紙面をつくり、
リピーターであるお客さんがたのしみにしたり、
ダイレクトメールをみてネットで注文する、という
ながれをつくりあげている。
食品をあつかう会社にはダイレクトメールが相性がいい、
という穴井さんの判断があり、
ちからをそそいでとりくんでいると
それが「スモーク・エース」という会社の特徴となってくる。
第2部は、しまねe-あきんどの会長、
土江さんとのトークセッションで、
土江さんはまず、
「どのステージをめざすのか」というはなしからはじめ、
そのために
・現状分析
・目標設定
・そのためにどの段階で何をどうとりくむか
をかんがえていく。
あたりまえのことなのに、瞬間的なヒットでおわることもある芸人をたとえに
土江さんが説明すると、すごくわかりやすい。
自分たちのとりくみでも、もういちどみなおしたいとおもう。
穴井さんと土江さんのおなはしをきいていると、
全国には、そして島根にも、
こんなすばらしいとりくみをしているひとがいるとしり、うれしくなる。
政治家や大企業の経営者が、
まるで当事者感覚のない発言をするのにくらべ、
穴井さんや土江さんのもののみかたは地に足がついている。
目さきのことを一生懸命追求していたら、
いつのまにか人類のしあわせにつうじていた、
みたいな世界水準の活動家にみえてきた。
会のおわりに、土江さんが
60年後の島根県の人口がこのままいくと
72万人から18万人になる、という数字を紹介された。
そうしたときに、どうやってお客さんからえらばれるショップになるか、
というはなしだけど、
18万人ではちょっとかんがえただけでも商売になりそうにない。
商売がどうこうより、日本という国が
どうなっているかが心配になる数字だ。
これはまた別の課題というべきだけど、
興味ぶかい数字であり、背中がスースーしてきた。
お客さんにえらばれるためには
まず情報発信、というのが土江さんがかんじておらえることだ。
フェイスブックとのつきあい方にまよいがでてきたときなので、
このままなげだしてしまわないで、
どんな情報をわたしは発信できるかをかんがえていきたい。
スポンサードリンク