「業務連絡のようなもの」をアップしている。
「社員のようなものさんへ、名刺のようなものを支給することにしました」
というもので、これにはちょっと説明がいる。
『野宿野郎』は野宿をすすめるミニコミ誌であって、
そのときどきに雑誌を編集するものの、
とくに編集部とか、会社組織があるわけではない。
そうしたゆるゆるの「組織」が
『本の雑誌』の特集で社史の取材をうけたことから
迷走がはじまっている。
会社ではないけど、いちおう『野宿野郎』を発行してきた歴史はあるので、
このさい「会社のようなもの」になろうと
編集長のかとうちあきさんがきめたのだ。
だからといって、なにかが根本的にかわるわけではなく、
本業の『野宿野郎』発行も、2010年の3月に7号をだしたきりになっている。
ならば会社は一体全体、なにをしているのか。
「野宿」です。あとは「だらだら」しています。
(「本の雑誌・2011年9月号)
とひらきなおりの状態だ。
しかし、この社史特集をきっかけに、
かとうさんは「のようなもの」という視点を獲得した。
「会社のようなもの」なので、
会社はないけど「新入社員のようなもの」を募集し
(「来た人はみなさん、その場で「新入社員のようなもの」になれます」とある)、
その「新入社員のようなもの」の研修野宿をひらいたり、
今回のように「社員のようなもの」のみなさんに
名刺のようなものを支給したりする。
わたしは自分で「のようなもの」のかたまりみたいな人間と自覚しており、
「会社のようなもの」で「仕事のようなもの」をしている
「社員のようなもの」といわれるとすごくしっくりくる。
冒頭にあげた、名刺のようなものを支給する業務連絡の本文は、
えー、みなさましっかりだらだらしていますか?
「極力、働かない。」を社是のようなものとする、
会社のようなもの『野宿野郎』は、
ますますの会社のようなもの化を目指して、
このたび、社員のようなものさんへ
名刺のようなものの支給をすることにしました
となっている。
わたしも「社員のようなもの」になって
名刺のようなものを支給してもらおうともうしこんだ。
「※名刺ができたら、野宿での手渡し、だめそうなら発送など、
ゆるゆると忘れたころにお届けされる予定です」
ということなので、名刺はきっととどくのだろうけど、
ずいぶんさきのことになりそうだ。
「社員のようなもの」というふわふわした存在はわたしにぴったりなので、
やめさせられない程度に「しっかりだらだら」して
ほんものの会社ではたらくほんものの社員になりたいひとに
うらやましがってもらおう。
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