の4巻が発売された。
沖千尋のいる「東京クルセイド」は
天皇杯予選で埼玉代表の「埼玉RSユース」と対戦する。
この巻のテーマは「脳」だ。
筋肉をどううごかすかは脳にかかっている。
「大脳が担っているのは、テクニックの部分」
「そのテクニックがスムーズに繰り広げられるかは、
小脳の働きにかかっている」
↓
「身体に持っているポテンシャルを最大限に発揮できるのは
小脳が発達しているから」
「小脳は頭で働かせようとしても
働いてくれない」
↓
「身体の使い方のクセで、
筋肉の付く場所・形・量が違ってくる」
↓
サッカーのやり方によって
選手の姿勢や体型までがかわってくる
なんとなく、そうか、とおもってよむものの、
ほんとのところ、よく理解できたわけではない。
ヨーロッパサッカーにちかづかないと、
日本のサッカーの未来はない、と
いわれているようで、あまりいい気はしなかった。
まあ、いまの日本人チームにない特色をいかして
天皇杯をかちとろうというのだから、
こうした論理武装が必要なのだろう。
『フットボールネーション』にはフィジカルのこともよくでてくる。
3巻では
「プロとアマとの一番大きな差は
テクニックでもセンスでもなく、フィジカルだ」
とかかれている。
そして、おおくの日本人選手は
「フィジカルという才能にめぐまれているにもかかわらず、
そのポテンシャルを生かしきっていない」
という指摘だ。
ほんとにそうなのだろうか。
宮間あや選手は、西部謙司さんのインタビューで
あまりフィジカルのことを意識していない、とはなしている。
「女子は男子以上に国際試合での体格の違いがありますが、
そこはどう考えていますか?」
ときかれたとき、
「結局、相手が強いから速いからミスするんじゃなくて、
技術の問題ですから」とこたえている。
西部さんも
「本当はそうだと思います。
当たられると思ってミスするのはフィジカルのせいじゃない。
まだ当たられてないんですからね」
と、この意見に同感している(『サッカー批評・57号』
外国選手にくらべフィジカルにめぐまれない日本人が
どうやって自分たちならではのサッカーをつくりあげていくかということも
真のフットボールネーションとなるためには必要となってくる。
読者として興味がわくのは、
天皇杯を獲得したあと、「東京クルセイド」が
どう世界とたたかえるチームになったかだ。
ヨーロッパサッカーのコピーでは、オリジナルにかてない。
この作品で日本サッカーのこたえがみえてくるだろうか。
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