72歳のランナーおじさんが、
めずらしくはなしかけてこられた
(72歳というと、ふつうならもちろん「おじいさん」だけど、
その方は現役のランナーで、からだつき、とくに足の筋肉など、
とても「おじいさん」のものではない)。
いつもはそれぞれ自分のメニューを淡々とこなし、
おしゃべりするのはほんのときたまのことだ。
「安来マラソン(なかうみマラソン)はいいコースでしたわ」
といわれる。
先週おこなわれたレースに参加されたのだ。
この大会があるのはしっていたけど、
ハーフマラソンなので
わたしはこれまで参加したことがない。
でるからには2時間をきりたいけれど、
いまのわたしのちからでは
まず手のとどかないタイムなのでみおくっている。
ランナーおじさんのタイムをきくと、
1時間37分といわれた。
5年前のタイムとおなじだったそうで、
「たまたま調子がよかったから」といいながらも
かなり満足そうだ。
1時間37分というと、
1キロ4分40秒のペースで、21キロをはしりつづけたことになる。
わたしは1キロ6〜7分というスピードを
自分にてきしたペースとしており、
ラストスパートと称して
500メートルだけやっとこのおじさんのスピードではしっている。
それをこのひとは21キロずっとつづけられたのだ。
そんなことが72歳でできるのかと、ほんとうにおどろいてしまった。
もちろんうえのレベルをみればきりがないし、
ランニングにおいてひとのタイムにとらわれる必要はぜんぜんない。
それにしても72歳の肺と心臓、それに全身の筋肉が、
そんな過酷な使用にたえられるなんて。
はやすぎるぞ、おじさん!
わたしが歳をとったときのモデルとして、
いい存在だとそのおじさんに敬意をはらってきたけど、
もしかしたらまったく次元のちがうひとを
モデルに設定していたのかもしれない。
このさきわたしがいまのトレーニングをつづけても、
おじさんのレベルにたっすることは絶対にない。
それはわたしのトレーニング法がよくないのかもしれないけど、
たのしくはしる、という意味において
距離はともかく、いまさらスピードをめざしたトレーニングにとりくむつもりはないし、できない。
そのおじさんのはしりをうらやましくおもうというより、
あまりにも突出したおじさんの記録に、
わたしはただおどろくよりなかった。
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