とくにおいこみにはいったようすもなく
いつもとかわらず規則的で怠惰な生活をつづけている。
どうやら「勉強をしない」ときめたようで、
友だちとTVゲームにふけることもおおい。
わたしも「勉強しなさい」とはいわない主義なので、
ここまでなにもいわなかったのだから、
受験だからといって、いまさら勉強についてふれたくはない。
このまえの土曜日には
台所で夕食の準備をするわたしのまえで、
むすことひとりの友だちがずっとTVゲームをしていた。
食事ができあがるまで、
すごくたのしそうにおしゃべりしながらゲームに没頭する。
外国が舞台のシューティングゲームで、
あとからむすこにきくと
「コールオブデューティー」というシリーズのゲームだとおしえてくれた。
「コールオブデューティー」といわれても、
なんのことかわからないので説明をもとめる。
「コールオブデューティー」には
BOシリーズとMWシリーズがあって、と
若干の補足をきいても、やったことがないわたしには
あいかわらず意味不明だ。
ガンダムにたくさんのシリーズがあるように、
そのゲームにもバージョンによっていろいろあるのだろうと、
とりあえず理解することにする。
銃の選択で、レミントンがなんとか、といっていたので
カラシニコフはあるのかたずねると、
いまのシリーズではつかわれておらず、
ただAKの改良型がMWシリーズにはあるのだそうだ。
リアルなシューティングゲームで、たとえゲームのなかでも
ひとをうちころすなんてたのしんでほしくないが、
いまさらそれをいうのもヤボすぎるだろう。
この時期には、家族に受験生がいると、
はれものにさわるようなとりあつかいが必要、とか
夜食をどう工夫しましょうとかが、
以前は社会的な話題になったような気がする。
家族までがそんなに神経をつかわなくても、
と子どもながらにおもったもので、
わたしが受験生のときにはそんな特別あつかいをされたおぼえはないし、
もちろんもとめもしなかった。
いま、むすこがそうした年齢をむかえ、
わがやもいつのまにか「受験生をかかえる家族」だ。
志望校の公立高校にうかるには、
むすこの成績はギリギリなのだそうで、
もしおちたらどうするかと配偶者がきくと
「はたらく」といったのだそうだ(わたしには相談なし)。
さすがに中卒で「はたらく」のは現実的でないので、
すべりどめに私立をうけることにしたようだ(わたしに相談なし)。
合格がむつかしそうなら勉強すればいいとおもうけど、
冒頭にかいたように「勉強しない」ときめたむすこは
これまでとまったくおなじリズムの生活をつづけている。
放課後ははやく家にかえり、テレビかマンガで時間をつぶす。
夜は11時すぎにはあかりがきえており、
受験勉強のけはいはまったくない。
試験はいつかたずねると、「えーと、たしか1月のおわり」と
首をひねりながらむすこはこたえた。
小学校に入学してから中学3年のいままで、
おおむね健康にすごしてきたし、不登校にならなかった。
友だちがあそびにくるし、ネコもよくかわいがってくれるので、
これ以上のことをのぞむのは、親のよくばりだとおもうことにした。
志望校にうからなくても、それは彼がのぞんだことであり、
親がどうこういうべきではないだろう。
わがやはどんな春をむかえるだろう。
できれば健康に、たいくつもふくめて
おもいでぶかい青春期をすごしてくれることをねがう。
あんまりリアルなシューティングゲームにはまらず、
さらっととおりすぎてくれたらいいけど。
スポンサードリンク