さっそくもっている唯一の電子書籍『ほぼ日HACKS』を
よんでみる。
キンドルをパソコンにつなぐと
デスクトップに「キンドル」があらわれるので、
そのフォルダーに『ほぼ日HACKS』をいれたら
よめるようになる。
このへんはすごくあつかいやすい。
つぎに、青空文庫で夏目漱石の『こころ』をダウンロードしてみた。
ほんの数秒でよみこまれ、
トップページに『こころ』があらわれる。
e-inkによる表示もよみやすく、
あきがこないかんじだ。
倉下さんがかいておられた
「紙の本の代用品として捉えてしまうと、
その姿を見誤ってしまうかもしれません。
電子書籍は新しい『本』の形なのです」
という指摘に共感する。
電子書籍の本質は「紙の本のかわり」ではなく、
「あたらしい読書の形」の
可能性をかんじさせてくれることにある。
キンドルで本をよみ、
それをクリップしたりエバーノートにおくったりすることで
なにがかわるのだろうか。
紙の本のほうが一覧性にすぐれているとか、
バッテリー残量に気をつかわなくてもいいとかは、
紙の本の優位な点ではあるけれど、
だからといって電子書籍のよさが
きえてしまうわけではない。
いまのキンドルは、タイプライターしかなかった社会に
ワープロがあわられたくらいのインパクトがある。
これからさらに電子書籍とのつきあいかたがかわるには、
なにがひきがねになるだろうか。
その鍵はクラウドにありそうだ。
きのうラジオをきいていたら、
音楽のうりあげで日本が世界一になったことをとりあげていた。
アメリカは、いまや音楽はダウンロードするものになっており、
CDはほとんど流通していないのだそうだ。
日本人は、物質としてのCDをもっていないと
安心できない傾向があるのだろうか。
ここらへんは、日本で電子書籍がひろまらないのと
関係があるような気がする。
本はデーターとしてではなく、
ものとして所有したいという価値観だ。
アメリカでのアマゾンのように、
価格に圧倒的な差があればまだしも、
いまの日本のようにほとんどかわりない値段なら
紙の本のほうがいい、ということになりそうだ。
紙の本よりも、電子書籍での読書が便利だったり、
クラウドによってちがうつかい方ができるようになれば
いっきに利用がすすむだろう。
ただ、そうなったときでも紙の本がなくなるわけではなく、
両者の併存がこのさきずっとつづきそうだ。
つかい方がちがうのだから、
どちらかひとつにきめる必要はなく、
そのひとがすきなスタイルをえらんでいくことになる。
わたしもキンドルをつかいながら、
自分にあった電子書籍とのつきあい方をさがしてみたい。
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