「『ビッグ』にはなれなくても『好きなことをして食べていく』
という選択肢もある」という文をよせている。
佐々木正悟さんのすこしうしろむきなスタンスがわたしはすきだ。
仕事だいすき人間でなくても生きていける気がしてくる。
佐々木正悟さんの指摘が、
もっととりとめがなく、モヤモヤした状態で
ずっとわたしのあたまにあった。
仕事とはいえ、自分の気もちにいつわりながらの
「おもてなし」がわたしは苦手だから。
佐々木さんは、佐々木圭一さんの『伝え方が9割』を例をとり、
「あなたはパスタが好きなのか?」とといかける。
「『デートしてください』
こう言ってみました。
あなたのピュアな気持ちそのままですね。 これだと断られる確率が高いですよね。 ですが、コトバ次第で結果を変えることかができます。
『驚くほど旨いパスタの店が あるのだけど、行かない?』
こう言ってみました。相手は行っていいかも、
と思う確率がぐんと上がるコトバです。 どちらにしても、実は『デートしませんか?』
という同じ内容なのです」(佐々木圭一『伝え方が9割』)
それにたいして
「私はちがうと思うのです」と佐々木さんはいう。
「『驚くほどうまいパスタの店』に
行きたいと思っているのはお相手であり、
あなたはパスタが好きなのか?ということなのです。
『自分が好きでも何でもないものをネタに使ったり売り込む』
ということに猛然とエネルギーを費やすうちに、
何のために自分が生きているのか分からなくなっ たり、
そこまで行かなくても、労働意欲が完全に失せているのに
徹夜で仕事をするということになっているのではないか、とも思うのです」
「相手の好み(メリット)」を一切に優先させることが「唯一の解」ではない
思えば私達はずっとこう教え込まれてきました。
お相手が、お客様が何が欲しいのか知れ。
それを全てに優先せよ。お相手の、お客様のご不満を知れ。
それを取り除くことを全てに優先せよ。
立派で優れた態度ですが、大きな問題がひとつあります。
やる方がかなり疲れるところです。
演技していることがばれないようにする。
心から相手のことを想う。自分自身はどこまでも消耗する。
なぜならそれが仕事だから。
『それが仕事』になってしまうのは、
多数を相手にしすぎるからだと思います。
自分と自分そっくりな人の好みを押し出せばいいだけなら、
そんなに大変なことをせずに済みます。
米国の広告賞を取ることはできないでしょうが、
その代わり情報収集(他人の好みを知る)も、
情報分析(他人の本当の好みを知る)も、
キャッチコピーの勉強 (他人の好きなことを他人に印象づける)も、
価格競争(他人が好きなものをより安く売る)もいりません。
『僕ってこれが大好き。いいでしょ、これ?』で済 みます。
稚拙かも知れません。安易すぎるかも知れません。
だから『それが仕事だ』と見られないかも知れません。
大多数の人に高い評価をいただくこともできません。
でもそれで食べていくことは、けっこうできるものです。
少なくとも『それが仕事』というほどのことをする多大なエネルギーを、
自分の好きなことに振り向け て、それをスムーズにシェアすればいいので、
軌道に乗せるのが簡単です。
『驚くほどパスタがうまい店』を探しているうちに
消耗しかけているくらいなら、やってみることです。
少なくとも『驚くほどパスタがうまい店』が
唯一の正解ではないと思います」
「驚くほどパスタがうまい店」でいくよりも
「僕ってこれが大好き。いいでしょ、これ?」
のほうがずっとわたしにむいている。
ビックになるつもりはもちろんないので、
たべていけさえしたらいい。
佐々木さんの記事をよみ、すごく気がらくになった。
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