イタリア戦から中2日。
つかれのたまった選手たちと、
消化試合でしかなという位置づけなのに、
ザッケローニ監督はいつものメンバーをおくりだした。
イエローカードの累積で出場停止の長谷部にかわって細貝。
調子のあがらない吉田にかわって栗原。
内田にかわって酒井宏樹と、
3人はかわったものの、キーパーをふくめ
もっとおおはばにあたらしい選手が起用されるのを期待していた。
前半10分までは日本がボールをまわすことができたけれど、
それ以降はメキシコの試合だった。
後半にはいってもメキシコ有利の内容はかわらない。
日本の選手は足がとまり、ボールをたもてない。
ミスもめだつ。本田も機能していない。
ザッケローニ監督がはなった打開策は、
酒井を内田に、そのあと前田を吉田へ、というものだった。
吉田がはいったのは3バックへのシステム変更のためだ。
しかし、その交代の直後にコーナーキックから
エルナンデスが2点目のヘディングをきめる。
交代直後の失点は、いまやおなじみの風景だ。
ついせんじつおこなわれたWカップアジア最終予選のオーストラリア戦では、
前田をさげて栗原をいれた3分後に失点している。
このときも3バックへの変更が機能しなかった。
長友が左ひざをいためたために後半32分に中村憲剛がはいる。
この交代で、日本のシステムはふたたび4バックにもどる。
さきほどあげたオーストラリア戦からずっと、
ザッケローニ監督の選手交代は後手後手にまわっている。
なにをのぞんでの交代なのかが選手につたわらず、
疑問符のつく采配がつづいている。
酒井宏樹のできがよくなかったものの、
かわってはいった内田もいいところがなかった。
PKをもらうファールをおかしたし、
あげたクロスは精度をかいているし、
遠藤のスルーパスにも反応できなかった。
なんのために酒井宏樹を先発させ、
なぜその酒井にかわって内田をいれたのだろう。
憲剛がはいるとまたパスがまわりはじめる。
日本の時間帯がうまれ、後半41分にやっと1点をかえす。
憲剛はいつもチームにリズムをもたらす。
ちょくせつボールにからまないプレーでも
チームにあたえる影響はすばらしい。
エルナンデスがPKをけるとき、
こぼれだまをケアしようとはしりこんだのは
憲剛ひとりだった。
前半9分に岡崎がオフサイドをとられた場面は
微妙な判定だったとおもう。
しかし、メキシコにしても、もっとたくさんの点がはいっても
おかしくない試合だった。
メキシコの試合はこびのうまさがめだったし、
日本選手はコンディションもわるく、
めざすサッカーが機能しなかった。
3戦全敗。
3戦全敗でもいいから日本サッカーのたち位置をしりたいと
たのしみにしていた大会だった。
イタリア戦ではいいところがでて
手ごたえをつかんだとおもったのに、
メキシコ戦ではまたもとにもどって
自分たちのサッカーができなかった。
この方向で1年間しっかり準備すれば
Wカップ本大会はほんとうに日本の大会になるだろうか。
いい経験をつめたとはいえ、日本の限界と、
ザッケローニ監督への疑問符がうまれた大会となってしまった。
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