「憲法を変えるなどもってのほか」という記事を発表した。
宮崎さんのほかに、鈴木敏夫さん・中川李枝子さん・高畑勲さんが
憲法改正への意見をのせている。
『熱風』7月号の特集は「憲法改正」です。
この問題に対する意識の高さを反映したためか、
7月号は多くのメディアで紹介され、
編集部には「読んでみたい」という
たくさんの問い合わせがありました。
しかし取扱書店では品切れのところが多く、入手は難しいようです。
今回編集部では、このような状況を鑑みて、
インターネットで、特集の原稿4本を全文緊急配信することに決定しました。
ダウンロードは無料、配信期間は8月20日18時までです。(ジブリ)
宮崎さんは記事のなかで
・憲法を変えることについては、反対にきまっています。
・慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、
きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。
・領土問題は半分に分けるか、あるいは
「両方で管理しましょう」という提案をする。
・今、はっきりしなきゃいけないのは、
産業構造をどうするかという問題です。(中略)
何で僕らが3本100円のバナナを食えるのか。
自国では誰も作っていないような服を平気で着て、捨てて、
それがおかしいんですよ。
というかんがえをのべている。
これらは以前から宮崎さんがいってきたことで、
わたしはどれもしごくまっとうな意見だとおもう。
『熱風』での「改憲特集」がおおきな反響をよんだのは、
宮崎さん、そしてジブリがどんなかんがえ方をしているかについて
よくしられてなかったからだろう。
以前から、なんでジブリの、そして宮崎さんの作品が
おおくのひとに支持されるのに、
日本はあいかわらずおろかなことをやりつづけるのか
不思議におもっていた。
たとえば、トトロをいいとおもうひとが、
子どもたちがあそぶ校庭に芝生をしきつめる、
というかんがえ方はしないとおもうし、
ナウシカを評価するなら除草剤などばらまかないはずだ。
作品からなにかおおきなものをえる、ということは、
そうした根本的な意識変革をともなうものとおもっていた。
でも、そう簡単なものではなかった。
歴史感覚のとぼしい政治家があいからわずえらばれているし、
福島での事故があったばかりなのに、
原発再稼働や外国への輸出などを平気でやろうとする。
経済成長をいつまでもおいもとめていると、
ひとの意識なんてなかなかかわらない。
わたしは宮崎さんがいう
「みんなが貧乏になる」でしょうがないとおもう。
「どこの地方自治体も財政は硬直化してます。
福祉関係だけでにっちもさっちもいかなくなっている。(中略)
僕が住んでいる所沢の財政支出を見ていても、
これはすごそうだなと思います。
だから、どっかでずるずるずるっと
貧乏になっていかざるを得ないんだと思います。
それはもう、そういうことだからしょうがないんですよ。
なので、将来の希望とかではなく、
今やってる仕事がおもしろいとか、
友人とホッとする時間を持つだとか、
好きな亭主の顔見たらうれしいとか、
これから、人はそういうことで生きていかないといけない。
将来の保障なんかない。
こんなこと言っても何の励ましにもならないけれど(笑)。
でも、本来人間はそうして生きて来たんです」
おおくのひとに『熱風』の「改憲特集」をよんでほしい。
そういうかんがえ方がある、ということを、
そして、それは子どもたちがだいすきなジブリの
根本的なかんがえであることをしってほしい。
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